現在、中東は「テロの温床」というイメージが広がっている。なぜこうしたイメージが広がってしまったのか。そのひとつの要因は「これまでの紛争のツケ」と言うのが、イラク政治史や現代中東政治が専門の酒井啓子千葉大学法政経学部教授兼同大学グローバル国際融合研究センター長だ。『9.11後の現代史』(講談社)を上梓した同氏に、中東の国々がつくられた基本的な歴史や反欧米組織、中東情勢、そして日本人には馴染みの薄い中東を理解するための本や映画などについて話を聞いた。 ――中東関連のニュースでは「テロ」という言葉が頻出するのが現状です。いまの学生さんたちにとって「中東=危険」あるいは「中東=テロ」という印象が強いのでしょうか? 酒井:いまの多くの学生たちにとって「中東とは危険な場所で、行くことなんて考えられない」という認識のようです。もちろん、現在の中東は危険な場所もありますが、そうでない場所もあります。中東に
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