氷が見つかった月の北極付近のクレーターの一つ。電波の「偏光」と呼ばれる性質を使った画像(右)から判明した(米航空宇宙局提供) 【ワシントン=勝田敏彦】米航空宇宙局(NASA)は1日、インドの月無人周回探査機チャンドラヤーン1号に搭載したレーダーによる観測で、月の北極にある複数のクレーターに大量の氷があることがわかった、と発表した。少なくとも6億トン(東京ドーム500杯分に相当)はあると見積もられるという。 このレーダーは月面に向けて電波を発射し、反射されてくる電波の特徴から表面の状態を調べるもの。両極付近を観測し、北極にある直径2〜15キロのクレーター約40個から、表面に氷の層があると推定される電波が観測された。 今回推定された氷の量は、米国の月探査機ルナプロスペクターが1998年に、中性子線の観測によって推定した量とほぼ同じという。 月では昨年、月探査機LCROSS(エルクロス)