リチウムイオン電池材料の世界的大手、ベルギーのユミコアが日本に進出する。リサイクルで希少金属の調達力を高めた同社は神戸市で基幹素材を生産する。日本が得意な環境・エネルギー分野でも海外企業の存在感が高まってきた。 日本の産業競争力の本丸に、知られざる世界的メジャーが乗り込む。 ベルギーに本社があるユミコア。同社は、2011年までに40億円を投じて神戸市にリチウムイオン電池の正極材の工場を建設する。 正極材はリチウムを含んだ金属の酸化物であり、リチウムイオン電池の性能やコスト競争力を左右する重要な素材だ。同社はその正極材で日亜化学工業と世界でトップシェアを競い合っている。 両社はこれまで得意な企業やエリアを分け合ってきた。ユミコアは韓国と中国に工場を持つ。日本勢を追い上げる韓国サムスンSDIやLG化学、中国BYDなど、両国の主要メーカーに正極材を販売してきたと見られる。日亜化学は日本メーカー向