聖地解放への不満が爆発した民衆運動 少年十字軍は、13世紀のフランスとドイツで起こった特異な民衆運動です。 主に12歳〜15歳の少年少女が聖地奪還を掲げて、集団でエルサレムを目指しました。 武器はおろか、資金も食料もない集団だったので、エルサレムにたどり着くどころか、地中海沿岸の町に着いたところで大部分が諦めて故郷に帰っていきました。 しかし残った者たちの中には何とかエルサレムに行こうと粘るうち、奴隷業者に騙されて売られてしまう悲劇も生まれました。 この運動の特異なところはこの2点です。 主宰者とそれに賛同した者の大部分が、少年少女であったこと 教皇や皇帝が焚き付けることなく、自然発生的に生まれ広がった運動であること なぜこのような運動が起こったのかと、運動の詳細を追っていきましょう。 少年十字軍が興った時代背景 聖地奪還どころかキリスト教国同士でケンカ 第1回十字軍(1096〜1099)