記事:平凡社 歓談するバーブル(右)とその長男フマーユーン(左)。『フマーユーン・ナーマ』(平凡社東洋文庫)より転載 書籍情報はこちら 2023年1月25日刊、平凡社東洋文庫『フマーユーン・ナーマ ムガル朝皇帝バーブルとフマーユーンに関する回想録』(グルバダン・ベギム著・間野英二訳注) 『フマーユーン・ナーマ』の特徴と価値 『フマーユーン・ナーマ』は、ムガル朝の帝室に属したイスラーム教徒の女性が著した父バーブルと兄フマーユーンに関する回想録として稀有の価値を持つ。 当時の美辞・麗句を連ねた難解なペルシア語の文章に比べると、『フマーユーン・ナーマ』は極めて簡明なペルシア語で書かれている。これは父バーブルの簡明な文章に対する好みを受け継いだものといえる。バーブルは息子のフマーユーンに宛てた手紙の中で、「お前は文章に凝りたいといっていますが、そのために文意が不明瞭になっているのです。今後は凝らず
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