右は一人にて二十五釜受持、繭えり場・糸揚場見廻りもこの内。 日本婦人中廻り 尾高 勇 この方は尾高様の令嬢、只今は渋沢男御子息の令夫人の筈に有之。 青木 けい 総取締青木たい様の御孫 森村 時 (武州) 畑銀 (七日市) 太田たい (武州) 笠間愛 (武州) 轟 とね (武州) 若林若(高崎) 磯貝某 (上州小幡) その他の姓名忘れました。 右は五十釜に三人、二十五釜に一人ずつ。一人は二時間ごと位に交代。一釜を三人で代る代る に糸をとって居ります。男女二人二十五釜の前を行き来して、糸のむらになりませんように見て 歩きまして、太過ぎても細過ぎても切れてしまいます。湯かげん、しけの出し方、蛹(さなぎ)の出し方等 やかましく申されます。それで聞きませんと叱られます。その上西洋人が見廻りまして、目に止 りますと中々厳しく申します。これは直に工女中の評判になりますから、如何なる者も恥かし