今回は、とある本に注目。 天保5年(1835年)12月12日に生まれた福沢諭吉の自伝『福翁自伝』です。 慶應義塾大学の創始者であり、また同校が屈指のエリート校であることから「福沢諭吉もカタい人だったに違いない」とか「ナンパな慶応ボーイ」のイメージを思い起こされるかもしれません。 しかし福翁自伝を読むとその考えが一気に吹っ飛びます。 父ちゃんも母ちゃんからしてスゴいのでしてそもそも福沢がまともに読書を始めたのが14~15歳というのですから、なかなかぶっ飛んでいます。 お父上はさほど身分の高い武士ではないかわりに真面目な学者肌の人で、諭吉が生まれたとき「普通に暮らしてても歴史に名を残せないから、この子は寺に入って偉い坊主になればいい。坊さんなら庶民からでも大僧正になれる」と言っていたそうです。 諭吉が2歳にもならないうちに死別したため、諭吉は直接父親と話したことはないはずです。 ただ、”福翁自