※作品内容のネタバレを含みます。 吉田秋生『海街diary』について、以前こちらの記事でいろいろと思うところ(というかほとんど手前勝手な愚痴)を書いていたりして、それに対しては大変貴重な忌憚ないご意見もいただいた。 【感想・批評】「正義エイリアン」への恐怖 —吉田秋生『海街diary』への違和感— 世間一般のまっとうな感覚や見識からすれば、この私の彼のごとき意見というか愚痴などは明らかに見当外れの酔狂な少数意見だろうし、それがもっともであり当然だとも思う。……実際、この『海街diary』が私の手前勝手な感想や感覚を抜きにしたところで、それはそれとしてやはり傑作であるという認識は揺らがないし、まして世間でのそうした評価がなんら揺らぐわけでもなく、そしてそれはまったく正当であり、したがってそういう感想を抱いてしまう私の方にやはりもっぱら非があるのだ。……しかし、それを踏まえた上で最新刊の『海街