母と私は、夜通し口げんかした。2人とも泣きじゃくった。 母は、みんなを支えるために身を粉にして働くのに疲れ切っているし、いつも子供たちがロラに味方するのにうんざりしているし、ロラなんてどこかへやってしまえばいいじゃないか、そもそも欲しくなんかなかったし、私のような傲慢で聖人ぶった偽善者なんか産まなければよかった──とまくし立てた。 彼女の言葉を反芻して、私は反撃に出た。 偽善者ならそっちだ。ずっと見せかけの人生を生きているじゃないか。自己憐憫に浸ってばかりだから、ロラの歯が腐ってほとんど食べられないことに気づかないんだろ。1度でいいから、自分に仕えるために生きている奴隷ではなく、1人の人間として見てあげたらどうなんだ? 「奴隷って言ったわね」 母はその言葉をかみしめた。 「奴隷ですって?」 母は、ロラとの関係は私には絶対に理解できないと言い放ち、その晩はそれで終わった。 何年も経ったいまで