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ブックマーク / www.ele-king.net (6)

  • 第3回 映画『金子文子と朴烈』が描かなかったこと | ele-king

    1 『何が私をこうさせたか』は、わずか23歳で獄中自殺した大正時代の活動家・金子文子が遺した膨大な自伝であるが、このタイトルは官憲が文子について最も知りたがり、文子に投げかけ続けた問いそのものである。文子はこの世に存在するものすべてをぶち壊したいと気で思っていた。文子は大逆罪の疑いで引きずり出された法廷を舞台として、同志でありパートナーである朝鮮出身の活動家・朴烈とともに、攻撃的かつ切実な言葉で自身の思想を開陳し続けた。文子を尋問した者、裁こうとした者、取り締まらんとする者は、文子を見て思った──どうして金子文子は、「こう」なのか? 「此の呪いを何処に持って行くか、自然を呪い社会を呪い生物を呪って私は総ての物を破壊して自分は死なうと思ひます。」(『裁判記録』15ページ、カタカナをひらがなに訂正している) 文子の思想はまぎれもなく文子のものであったが、官憲どもは文子から何度も思想を奪おうと

    第3回 映画『金子文子と朴烈』が描かなかったこと | ele-king
  • RIP David Bowie | ele-king

    英国に止まない雨が降った朝文:ブレイディみかこ ある雑誌の企画で「いま一番聴いている5曲」という調査に参加することになり、アンケート用紙に記入してメールした後、酒を飲みながらボウイの新譜を聴いていた。 「いま一番聴いている5曲」の中にも、『Blackstar』収録の” 'Tis a Pity She Was a Whore”を入れた。過去と現在の音をカクテルにしてぐいぐいかき混ぜながら、確かに前進していると思える力強さがある。みたいなことをアンケートには書いておいた。 そして新譜を聴きながらわたしは眠った。 が、朝5時に目が覚めてしまった。 まるで天上から誰かが巨大なバケツで水をぶちまけているかのような雨が降っていたからだ。雨の音で目が覚めるというのはそうある話ではない。こんな怒涛のような雨が降り続いたら、うちのような安普請の家は破れるんじゃないかと気で思った。妙に真っ暗で、異様なほどけ

    RIP David Bowie | ele-king
  • Blur | ele-king

    最近、英国のショービズ界の上流階級化が盛んにメディアで問題視されているが、その中で時折見かける表現が、「むかしはブラーとオアシスが、ミドルクラス VS ワーキングクラスのバトルを繰り広げたこともあったが、今考えるとブラーなんてのは全然ワーキングクラスだったように思える」というものである。ポップ界があまりにポッシュで線が細くなったため、今振り返ればブラーとオアシスは同じ階級のように思えるのだろう。 で、それとは全然関係ないのだけれども、作を聞きながら、あと5年ぐらい経ったらブラーとレディオヘッドは全く同じようなアルバムを作っているんじゃないかと思った。レディオヘッドがだんだんメロウでジャミーなサウンドになり、エレクトロから離れて行く一方で、ブラーはだんだん籠った情報量の多いサウンドになり、ファンキーになっていく。過去四半世紀のUKミュージックの「考えるロックバンド」のツートップである彼らは

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  • 第9回:戦わない男の子、トロフィーにならない女の子 | ele-king

    さまざまな雪像が飾られた昨冬の雪祭りの写真を眺めながら、長女が言いました。「この頃は『アナと雪の女王』も『妖怪ウォッチ』もなかったんだねえ」。 たしかに、今年3月14日に日公開された映画『アナと雪の女王』、そして今年1月8日からテレビアニメ版の放送がスタートした『妖怪ウォッチ』は、子どもカルチャー・シーンをすっかり塗り替えてしまった感があります。子どもが世間に大放出される夏休みともなると、アナ雪ソングを大声で歌う女の子と妖怪ウォッチの話をまくしたてる男の子がアブラゼミなみにそこらじゅうで観察されたものです。いつの日か子どもカルチャー史が編まれることになったら、2014年は「妖怪ウォッチとアナ雪の年」として刻まれることでしょう。 そして「アナ雪」ブームも一段落したいま、男児の『妖怪ウォッチ』熱は女児にも伝染したもよう。最近の娘たちはもうプリキュアディズニープリンセスも卒業したとばかりに、

    第9回:戦わない男の子、トロフィーにならない女の子 | ele-king
    amanoiwato
    amanoiwato 2014/11/21
    昭和的な暴力性や残酷さといった毒が希薄な分、マニアックなギャグやギリギリのパロディをふんだんに盛り込むことでパンチを効かせているわけだな。>妖怪ウォッチ/で、昭和的な悲哀はじんめん犬が背負っているw。
  • 第6回:女の子が好きな女の子 | ele-king

    ここ1ヶ月半ほど、「ありの~ままの~すがた見せるのよぉ~」と我が家の6歳児がかしましい。もちろん彼女が歌うのは、大ヒット公開中のディズニー・プリンセス映画『アナと雪の女王』の主題歌“レット・イット・ゴー”日語版です。アンタそれ以上ありのままになってどうするんだ……と突っ込んだところで、「何も怖くない。風よ吹け(I don't care. what they're going to say.Let the storm rage on.)」と、こちらがフローズンされそうな勢い。「友だちの話聞いてたらもう一度見に行きたくなった!」と、彼女の『アナ雪』愛は深まるばかりです。彼女の通う小学校ではサビのフレーズをどれだけ大声で歌うか、もしくはヘン声が歌うかを競うのが女の子の間で大流行。ブランコに乗りながら「アロハ~バイバ~イ」とオラフ(雪だるま)のモノマネをしたり(そんなセリフありましたっけ? 母は

    第6回:女の子が好きな女の子 | ele-king
  • 貧困ポルノ | Benefits Street | ele-king:アナキズム・イン・ザ・UK 第16回

    今年の英国は、年頭からC4の『Benefits Street』という番組が大きな話題になった。 これは生活保護受給者が多く居住するバーミンガムのジェイムズ・ターナー・ストリートの住人を追ったドキュメンタリーである。が、ブロークン・ブリテンは英国では目新しくも何ともない問題なので、個人的には「なんで今さら」と思った。日人のわたしでさえ何年も前からあの世界について書いてきた(その結果、まで出た)のだ。UKのアンダークラスは今世紀初頭から議論され尽くしてきたネタである。 が、この番組で英国は蜂の巣をつついたような騒ぎになった。デイヴィッド・キャメロン首相から『ザ・サン』紙まで、国中がこの番組について語っていた。よく考えてみれば、一部のコメディや映画を除き、あの世界を取り上げた映像は存在しなかったのである。 なるほど。アンダークラスは当に英国の蜂の巣だった。というか、パンドラの箱だったのであ

    貧困ポルノ | Benefits Street | ele-king:アナキズム・イン・ザ・UK 第16回
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