いわゆる演劇というものがありまして、さっきまで生活していた身体を引きずって劇場に出向き席に座っているとただ生活だけをしてきたわけじゃない夢見心地の身体を引きずった役者と呼ばれる人間が目の前に現れてなんだかんだと騒いでる。そんな演劇というやつがあるわけですが、演劇は遊戯王じゃないんだぜ。コロコロコミックじゃないんだぜ。ホビー漫画などに時たま現れる設定として、サイクロプスみたいなメガネをつけるとヴァーチャルの世界に転送されてそこにはいつもの僕と同じようにいつもの僕以上に僕の意のままに動くヴァーチャルな身体があって、そこで僕と君は闘ったり冒険したり助け合ったり情熱を確認し合ったり、演劇はそうじゃないんだぜ。悲しいかな僕ら生まれた時からずっとこの身体だけでやってきた、この広大すぎる世界を時速4kmで歩けるこの脚で時速20kmが出せないこの脚で毎日駆けずり回ってる。僕が捉える世界はいつだって僕の2つ