ナチス・ドイツによるユダヤ人迫害の悲劇を伝える「アンネの日記」が相次いで破られた事件で、器物損壊などの疑いで警視庁に再逮捕された無職の男(36)=東京都小平市=が調べに対し、「日記はアンネ・フランク自身が書いたものではない」と批判するような供述をしていることが、捜査関係者への取材でわかった。 同庁によると、男は杉並区の南荻窪図書館で2月5日、「アンネの日記」と関連の書籍計23冊を破った疑いで今月14日に逮捕された。館内の防犯カメラに、男と似た人物が黒っぽい手袋をつけて本を手に取り、ページを破るような姿が映っており、男の自宅からは黒い手袋が見つかった。 男は調べに対して、「他の図書館でもやった。アンネ自身が書いた日記ではないのが許せなかった」などと話しているという。意味不明な供述もあり、同庁は刑事責任能力の有無も含めて、動機などについて慎重に調べている。政治的な思想が背景にあったわけではない