新入生が希望に胸をふくらませる春です。しかし高すぎる日本の学費は、充実した大学生活を望む若者の前に立ちふさがり、子育て世帯に過重な負担を強いています。学費問題を通して「日本の異常」に迫ります。 「何のための大学か」 「公認会計士の資格をとろう」 東京都内の私立大学に入学したとき、田原真人さん(23歳=仮名)は意欲に燃えていました。「商学部の勉強はおもしろい」。順調に簿記2級に合格しました。しかし1年目の冬に、挫折しました。 両親は自営業。1990年代のバブル崩壊後、経営が悪化しました。「大学には行くといい」。進学を後押ししてくれましたが、費用は奨学金に頼らざるをえませんでした。 大学の学費急騰 入学金と4年間の授業料で約400万円。生活費が4年分で約300万円。合わせて700万円を超す借金を背負いました。 それでも生活費は足りませんでした。居酒屋で週3~4回、午前3時か5時まで働きました。
立教大学の歴史は、米国聖公会の宣教師チャニング・ムーア・ウィリアムズが1874年に創立した「立教学校」から始まります。キリスト教が厳しく弾圧されていた時代に聖書と英学を教える私塾を開くのは、計り知れない苦闘があったことでしょう。それでもウィリアムズは教え伝えること自体が自分の使命だと確信し、需要のない中でも教育を行う道を選択しました。145年以上を経た現在においても、その姿勢は失われていません。立教大学は世間のニーズに応える形で教育を展開するのではなく、「普遍的真理を探究し、この世界や社会のために働く者を生み育てる」というミッションのもと、人類が築き上げてきた知の体系とそれらを社会に還元していく力をもつ人を育む場として存在しているのです。 本学の教育方針の基軸であるリベラルアーツは、単なる教養教育などではありません。人類が長い歴史の中で探究してきたいまだ到達し得ない理想——それを追い続ける
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