日本絵画史上最大の画派「狩野(かのう)派」の絵師の屛風(びょうぶ)2点が見つかり、京都国立博物館(京博、京都市東山区)が5日発表した。いずれも個人の所蔵品で、「重要文化財級の価値がある」としている。 北野天満宮を背景に酒宴の様子を描いた「北野社頭遊楽(きたのしゃとうゆうらく)図屛風」(六曲一隻)は、安土桃山時代に狩野派を率いた狩野永徳の次男・孝信(1571~1618)の作。人物の表情や着物の絵柄まで細やかに描き込まれ、孝信が画業を積んだ最晩年の傑作という。 「槇(まき)に白鷺(しらさぎ)図屛風」(二曲一双)は、永徳の高弟で、狩野派が徳川家御用絵師となり江戸に移った際、京都に残って「京狩野(きょうがのう)」を立ち上げた山楽(さんらく)(1559~1635)の筆。木の枝ぶりや陰影の表現、鷺の描き方などから山楽作と判断された。引き手の跡が残ることから、元は城や有力武将の屋敷を飾った襖(ふすま)絵
ことしのノーベル文学賞に自己のアイデンティティーを探し求める作品を数多く発表してきたフランスを代表する作家、パトリック・モディアノ氏が選ばれました。 スウェーデンのストックホルムにある選考委員会は、日本時間の午後8時すぎ、ことしのノーベル文学賞の受賞者にフランス人のパトリック・モディアノ氏が選ばれたと発表しました。
宮内庁が編さんを進めてきた昭和天皇の活動記録「昭和天皇実録」が24年余りかけて完成し、21日、天皇皇后両陛下に奉呈されました。 内容は来月中頃に公開される予定です。 天皇実録は、歴代の天皇の活動を後世に伝えるため、天皇の日々の動静などを客観的な資料を基に日誌のような形で年代順に記した記録集で、宮内庁は、平成2年から24年5か月かけて「昭和天皇実録」を完成させました。 21日は、午後2時に両陛下のお住まいの御所で、宮内庁の風岡長官から合わせて61巻、1万2000ページ余りからなる正本が、両陛下に奉呈されました。 「昭和天皇実録」は、宮内庁の公文書や側近の日誌など、およそ3000件に上る資料を基に編さんされ、天皇の在位期間の長さや激動の昭和の時代を反映して、歴代の天皇実録の中で最も長編になりました。 当初、平成17年度に終わる予定だった編さん作業は、新たな資料の発見などで2度にわたって延長され
明治から昭和に活躍した歌人、与謝野晶子(1878~1942年)の未発表の直筆短歌が和歌山県田辺市内で見つかったことが26日、分かった。同市周辺で産出する「古谷石」の収集家として知られた男性が大切にしていた石を詠んだ短歌で、男性の孫の野口博史さん(63)が自宅で石と共に遺品の中から短冊を発見した。晶子研究家で日本文芸学会の入江春行常任理事は「筆跡から晶子の直筆短歌と分かった。全集などに掲載がない
歌人・与謝野晶子(1878~1942)の未発表の短歌が、新たに東京都内で見つかった。1937年の盧溝橋事件の翌月に詠まれ、拡大する日中戦争の行方を憂えている。専門家は「検閲を意識して発表しなかったのでは」と話している。 歌は「秋風やいくさ初(はじ)まり港なるたゞの船さへ見て悲しけれ」とあり、署名入り。扇子に毛筆でつづられ、東京都世田谷区の布村建さん(77)が父親の遺品として保管していた。晶子研究者で日本文芸学会常任理事の入江春行さん(86)が晶子の直筆と確認した。 入手経緯を書き残したメモと布村さんの話によると、農林省技官だった父親は37年8月13日、晶子と面識のある同僚と横浜港に行った際、たまたま晶子と出会った。桟橋の喫茶室で、持っていた扇子に「一筆を乞うた」という。
明治時代の文豪、夏目漱石が教師だったころに同僚に宛てて記した未発表の俳句が添えられた書簡が、和歌山市の博物館で公開されています。 公開されているのは、夏目漱石が29歳のとき、英語の教師として熊本に赴任する際、それまで勤務していた松山の「愛媛県尋常中学校」の同僚に宛てて記した書簡です。 書簡は先月、和歌山市内にあるこの同僚の子孫の家で見つかり、現在、和歌山県立博物館で公開されています。 書簡には「死にもせで西へ行くなり花曇」という未発表の俳句が書かれた短冊が添えられ、新たな勤務地に赴く漱石の心境がうかがえます。 会場を訪れた地元の男性は「当時、和歌山の人が漱石と身近に交流していたことを知り、すばらしいと思いました」と話していました。 和歌山県立博物館の竹中康彦学芸員は「漱石が友人と文芸的なやり取りをしていたことを示す貴重な資料で、多くの人に見てほしい」と話していました。 夏目漱石の書簡は来月
平安時代後期に物語が作られ、その後、中盤や末尾の大部分が失われたことから、「幻の物語」とも呼ばれる作品、「夜の寝覚」の失われた部分の一部が見つかり、平安時代の傑作の全容を知る手がかりになるとして研究者が期待を寄せています。 「夜の寝覚」は、女性の主人公「寝覚の上」がさまざまな男性に愛される波乱の生涯を描いた物語で、11世紀後半に「更級日記」の作者としても知られる菅原孝標女が書いたとする説が有力です。 原本はなく、その写本が残されているものの、時代を経るうちに、物語の中盤と末尾が大きく失われ、詳しい内容や結末が分からなくなり、「幻の物語」とも呼ばれていました。 こうしたなか、このほど、京都の古書店が持っていた古い掛け軸の書1枚について、平安時代の文学に詳しい実践女子大学の横井孝教授が鑑定したところ、「夜の寝覚」の中で詠まれていたとされる和歌だったということです。 「夜の寝覚」を巡っては、今回
高円宮家の次女の典子さまが、島根県の出雲大社の神職、千家国麿さんと婚約されることになりました。 宮内庁では、27日午前11時から西ヶ廣宮務主管が記者会見し、「典子女王殿下には、本日、千家国麿氏と御婚約が御内定になりました」と発表しました。 典子さまは、故・高円宮さまと、妃の久子さまの次女で、25歳。 3年前に学習院大学を卒業したあと、進学や就職はせず皇族としての公務などに臨まれています。 千家さんは、典子さまより15歳年上の40歳。 代々、出雲大社の宮司を務めてきた千家家の長男で、平成8年に国学院大学を卒業したあと、東京と京都の神社を経て、平成17年から出雲大社の神職をしています。 お2人は、典子さまが大学に入学した直後の平成19年4月、出雲大社を参拝した際に初めて会い、その後、両家が家族ぐるみのつきあいをするなかで交際を深め、結婚の意思を固められたということです。 27日は、発表に先立っ
お知らせ2014.05.16 「池澤夏樹=個人編集 日本文学全集」(2014年11月刊行開始)収録内容発表!
大型書店がひしめく大阪・梅田で16年間営業した「ブックファースト梅田店」が28日をもって閉店する。入居する新阪急ビルの建て替え工事が理由。ビジネス書の豊富な品ぞろえで固定ファンを獲得した。同社が展開する関西圏の26店舗で最大の売り場面積を誇ったが、移転して営業を続ける予定はないという。 同店は平成9年、同ビル1階に開店後、16年4月に売り場を3階まで拡大。ビジネス書の在庫数で他店との差別化を図り、午後10時半まで営業したことから、仕事帰りのサラリーマンらがこぞって利用したという。だが、来年度にも始まる同ビルと、隣接する阪神百貨店梅田本店の建て替えに伴い閉店が決まった。同店と御堂筋を挟んで向かい側にあった旭屋書店本店も平成23年12月に改築のため閉店。今回のブックファースト梅田店閉店をもって、同市営地下鉄東梅田駅周辺の大型書店が姿を消すことになる。 最終営業日の28日、午前9時の開店から多く
来月、選考会が開かれる第150回の芥川賞と直木賞の候補作が20日発表され、このうち芥川賞には、前回も候補になった、いとうせいこうさんをはじめ、オーストラリア在住の主婦や劇作家など、多彩な顔ぶれがそろいました。 芥川賞と直木賞の候補作は、主催する日本文学振興会が発表しました。 それによりますと、芥川賞の候補には、▽いとうせいこうさんの「鼻に挟み撃ち」、▽岩城けいさんの「さようなら、オレンジ」、▽小山田浩子さんの「穴」、▽松波太郎さんの(まつなみ・たろう)「LIFE」、▽山下澄人さんの「コルバトントリ」の、合わせて5作品が選ばれました。 このうち、いとうせいこうさんは、俳優やミュージシャンとして活躍する一方、東日本大震災をテーマにした小説で前回、第149回芥川賞の候補にもなりました。 また、初めて候補になった岩城けいさんはオーストラリア在住の主婦で、ことばの違う国に生きる難しさや希望を描いたデ
大阪府の松井一郎知事は20日の記者会見で、廃止する方針だった国の重要文化財の府立中之島図書館(大阪市北区)に関し「図書館機能を堅持しつつ、魅力あるものにする」と述べ、一転して存続させる考えを示した。 松井知事と橋下徹大阪市長は昨年6月以降、美術館などにリニューアルし、観光拠点にする考えだった。しかし関係者によると、府市特別顧問の上山信一慶応大教授らで構成する専門家会議が難色を示したという。 松井知事は会見で「会議では、一挙に違うものに変えるとは検討されていない」と強調。橋下市長も存続に納得していることを明かした。 中之島図書館は、本館が1904年に建設され、蔵書は約55万冊。円柱形の柱が並ぶ正面玄関はギリシャ神殿風で、観光客にも人気がある。(共同) [2013年11月20日17時18分]
出版状況クロニクル66(2013年10月1日〜10月31日) 『週刊東洋経済』(10/12)が「今、始めなきゃ!就活」特集で、「業界最新天気図一覧」を掲載している。その中で出版業界だけが最低ランクの「大雨」で、そこからの脱出の可能性はまったくないとされ、「市場に構造的な不況要因があり、多くの企業が赤字や減益の状態」とコメントされている。いうなれば、これは出版業界の内側にある経済誌からの、就活対象とすべき業界ではないという宣告と考えるべきだろう。 そのような出版危機を知らしめる、同じく内部での事件が次々と出来している。それらは『週刊朝日』編集長セクハラ事件、『週刊ヤングジャンプ』編集長強盗容疑での逮捕、『女性セブン』におけるパワハラと労使の衝突、秋田書店プレゼント不正とそれをめぐる問題などで、それこそ報道されていないものを含めれば、無数に起きているはずだ。もちろん出版社が聖人君子の集まりと考
NHKの番組「プロジェクトX〜挑戦者たち〜」に先進的な医療の取り組みが取り上げられたこともある「パルモア病院」(神戸市中央区)を運営する、医療法人財団パルモア病院(同区)は31日、大阪地裁に30日付で民事再生法の適用を申請し、保全命令を受けたと発表した。診療は継続しているという。東京商工リサーチによると、平成25年3月期決算での負債総額は約14・7億円。 神戸パルモア病院は昭和31年に開院。産科と小児科の提携を目指した周産期医療を日本で初めて実践したとされる。ほかに内科、麻酔科などがあり、病床数は70床。 25年3月期の売上高は12億円で前期から減収となり、経常損益は2200万円、最終損益は2100万円のそれぞれ赤字を計上していた。借入金の負担もあり、資金繰りに行き詰まったとみられる。 病院のホームページによると、平成13年にNHKのプロジェクトXで当時としては先進的だった周産期医療
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