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2015年1月29日のブックマーク (8件)

  • あとがき15 もっとも短い「はしがき」: 野中哲照『後三年記の成立』(汲古書院、2014年) - あとがき愛読党ブログ

    もっとも簡潔な「はしがき」に出会ってしまった。 はらりと表題紙をめくると、左右にたっぷりと余白のあるページが現れる。その中央に、ほんの少し大きいポイントの活字で以下の文言のみが記されている。 はしがき 従来、貞和三年(1347)とされてきた『後三年記』の成立年次を天治元年(1124)に引き上げる――これが書の主旨である。 これが、野中哲照『後三年記の成立』(汲古書院、2014年)冒頭頁の全てである。 一般的に、このような論文集は、長年別個に書かれてきたもの集成であるからか、「そので何が明らかになるか」は、往々にして模糊としていることが多い。それに比べた書の端的さ、鋭さには、思わず息を呑む。 軍記物語『後三年記』の成立年が200年引き上げられることは、些事ではない。 *『後三年記』の成立が院政期だとすれば、『平家物語』などよりも前のものとなり、『将門記』『陸奥話記』などの初期の軍記と『

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  • 「漱石のはがき」見つかる 都立高校教員がネットで落札:朝日新聞デジタル

    夏目漱石が松山時代に知り合った俳人、村上霽月(せいげつ、1869~1946)にあてた1枚のはがきが見つかった。インターネットのオークションに出品されていた。漱石全集には未収録のはがきで、漱石の創作の過程がうかがえる俳句が2句添えられていた。 伊豆で漱石が大量吐血した「修善寺の大患」から約2カ月後、1910(明治43)年11月3日の消印。漱石の住所は療養先の胃腸病院と記されている。宛名は霽月の名、村上半太郎。正岡子規を通じて漱石と親交があった。 「病中は度々御見舞難有(ありがたく)候 漸々(ぜんぜん)快復につき御安心可被下(くださるべく)候」とあり、見舞いの礼状とわかる。「今日は天長節に候」という文に続いて、「菊の雨聞いて閑(かん)ある病(やまい)哉」「菊の三日雨と変るや昨夕(ゆうべ)より」と2句の俳句が続く。 同月8日付の東京朝日新聞に掲… こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると

    「漱石のはがき」見つかる 都立高校教員がネットで落札:朝日新聞デジタル
  • 活版印刷職人・加藤隆男さんの「活字拾い、組版、印刷から裁断」まで

    秋田県の山村で、もう47年間も活版印刷の地元紙を発行する「上小阿仁新聞」加藤隆男さんに「活字拾い、組版、印刷から裁断」までの一連の工程を見せていただきました。

    活版印刷職人・加藤隆男さんの「活字拾い、組版、印刷から裁断」まで
  • 京(みやこ)を描く -洛中洛外図の時代- - 京都府京都文化博物館

    首都京都の全景を一双の屏風に描く洛中洛外図屏風は、16世紀初頭に登場します。現実の都市社会を題材に、権力者の政治体制から京都町衆の生活の一齣こままでを生き生きと描き、応仁・文明の乱から復興し、新たな近世都市へ向かう京都の姿を活写しました。その後、この洛中洛外図は江戸時代を通じて制作され続け、都市の変化に応じて、多様な要素を盛り込みながら展開していきました。 展では、国立歴史民俗博物館の国内有数の洛中洛外図屏風コレクションを中心としながら、醸成される京都文化と都市のありようを絵画、文献、考古資料など、多様な資料を用いて紹介致します。 基情報 京みやこを描く―洛中洛外図の時代― 会期平成27年3月1日(日)~4月12日(日) 前期展示:3月1日(日)~3月22日(日) 後期展示:3月24日(火)~4月12日(日) *会期中展示替えあり 休館日:毎週月曜日 会場京都文化博物館 4・3階特別展

  • 中国の若者に広がる『知日』ブーム:日経ビジネスオンライン

    気分が滅入る事件の最中なので、すこし軽い話題でいきたい。 先日、中国で刊行されている『知日』という雑誌の日語デモ版が日の潮出版から刊行されることになり、記者会見が開かれた。主筆は在日中国人紀行作家で神戸国際大学教授の毛丹青さんである。毛さんは、私が北京駐在時代から何度も取材した旧知の仲。4年前から、日中国に紹介する雑誌を手掛けていたとは聞いていたが、ついにそれが逆輸入されるまで中国でヒットしているとは知らなかった。久しぶりにお会いした毛さんは、「僕は商売人やから、売れるもんしか作らんよ」と独特の関西弁で誇らしそうに話していた。 この『知日』は、2011年1月に北京で創刊された。「奈良美智」だとか「推理小説」だとか「明治維新」だとか、日に関するテーマを一つ取り上げ、オタク的に徹底紹介、徹底分析するちょっと贅沢なムックである。創刊号では1万部売れたらもとがとれる、と計算していたら初

    中国の若者に広がる『知日』ブーム:日経ビジネスオンライン
  • 人文情報学月報

    人文情報学の実態は、哲学・史学・文学を始めとした伝統的人文学から、文化人類学・心理学・社会学など、人間文化に関するさまざまな切り口からの研究分野を含めた幅広い意味での人文学を対象とし、それらをデジタル化するうえでの手法やその意味を問いつつ、実践的なフィードバックを重ねていく螺旋的な研究活動といえます。 人文情報学の現状を少しでもつかみやすくするべく、人文情報学と位置づけることができる様々な研究について、各分野気鋭の専門家の皆さまにご紹介いただくと共に国内外のホットな情報を取り上げていきます。 バックナンバーは下記、「発行者サイト」をご覧ください。

    人文情報学月報
  • 日本語活字印刷史 « 名古屋大学出版会

    目 次 序 章 活字の論理 —— 日語活字印刷史への視角 1 アコスタの世界認識の方法 2 印刷出版による階層化 3 REDUCIR の論理 4 木版印刷という選択 5 日イエズス会版の位置 6 朝鮮の鋳造活字 —— 活字の東と西 7 書の構成 第Ⅰ部 古活字版のタイポグラフィ —— 活字・組版・異版 導論 漢字仮名交り文の古活字版を論じる理由 第1章 嵯峨『伊勢物語』の活字と組版 1 資料と分析方法 2 仮想組版の試み 3 木活字について 4 慶長13年初刊の異版問題と部分異植字 5 慶長13年再刊の活字と組版 6 異版の制作方針 7 まとめ 第2章 古活字版の仮名書体 1 仮名を活字に載せるということ 2 キリシタン版と古活字版の連続活字 3 漢字仮名交り文古活字版の活字規格と組版 —— その諸相 4 嵯峨『伊勢物語』のタイポグラフィ 5 変容する印刷書体 小括 古活字版

  • 司書の出番 » 講演会「漢字ワンダーランド-受容と変容のヒストリー」を開催しました!

    恒例の「文字・活字文化の日記念講演」を、今年は「漢字」をテーマに、平成26年10月26日(日)に開催しました。昨年、一昨年にもご講演いただいた福田武史先生をお招きし、今年も盛況で、会場の青少年センターの広い研修室が狭く感じられるほどでした。10月末とは思えない陽気と受講者の方々の熱意とで会場内は汗ばむくらいになり、窓を開けていたところ、お隣の結婚式場の鐘の音が鳴り響くハプニングもありました。大安吉日だったのです。 ご講演は、古代の日において漢字の読み書き(漢字の三要素=形・音・義)がどのように学ばれていたのかを追体験するというコンセプトで、受講者が自分で読んだり、探したり、考えたりする場面が準備されていて、ワクワク、びっくり、納得の連続でした。 テキストに用いられた『千字文』(センジモン)は、一字の重複もなく一千字を用いた、四字一句、全二百五十句(百二十五の対句)で構成される人間業とは思

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