「野草で飢えをしのいだ」「病気を治すカネがない」 ルポ・下流老人~9割が予備軍。転落は、突然やってくる 「収入がない」「貯蓄がない」「頼れる人がいない」 「路上の生活は厳しい。何をされるかわからない恐怖がある。中学生や高校生が、飲みかけのペットボトルや火のついたタバコを投げつけてくる。そのタバコの火で私のダンボールの家が燃えて、消防車が来たこともあります」 反貧困ネットワーク埼玉で貧困者の支援をしている高野昭博氏(60)は、こう振り返る。 彼は6年ほど前までホームレスだった。19歳~45歳まで大手百貨店の正社員として働き、年収は最高で1200万円もあった。それがいつの間にかホームレスにまで転落した。キッカケは、両親の介護だった。 「99年頃、父にガンが見つかりました。病気がちの母に父の世話はとてもムリ。それで、私が会社にお願いして、しばらくは休職扱いにしてもらっていたんです。でも、だんだん