1966年に公開されたSF映画の傑作「ミクロの決死圏」。要人を助けるため、ミクロサイズに縮小した医療チームが体内に入って治療するという突飛なストーリーが当時、大きな反響を呼んだ。 そんな空想の産物が、半世紀を経て現実になろうとしている。映画では、治療に当たるのは潜航艇に乗って患部にまで到達した医療チームだった。現実では、「ナノカプセル(ミセル化ナノ粒子)」という新開発の“乗り物”に薬剤だけが載って患部に届く。 ナノカプセルとはその名の通り、直径数十ナノメートル(ナノは10億分の1)ほどの小さなカプセルだ。これを使い、狙った患部だけに薬剤を届ける仕組みを「ドラッグ・デリバリー・システム(DDS)」と呼ぶ。東京大学の片岡一則教授、東京女子医科大学の岡野光夫教授らがナノカプセルを発明し、現在、医薬ベンチャーのナノキャリアと組んで実用化を進めている。 医学の世界に工学を持ち込む 「肉眼では絶対に見
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