摂食障害の患者さんを多く診るようになると必ず突き当たる問題の1つに万引きがあります。低体重の摂食障害患者さんの入院先をどう探すのか(これはまた別の機会にお話ししたいと思います)というのも難しい問題ですが、万引きは警察官、検察官とどうつきあうのかという日常臨床にはない難しい問題です。 ところが、摂食障害の万引の治療に関する研究はほとんど見当たらないのが現状です。ですので、小生自身の過去の研究結果を紹介しながら、実臨床に基づいた対応について紹介します。 摂食障害における窃盗 アメリカ精神医学会診断基準Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders-5 (DSM-5, 2013)では、摂食障害として、神経性やせ症(低体重で少量しか食べない摂食制限型、食べ吐きを行う過食・排出型)、神経性過食症(正常体重で過食と嘔吐を行う)、過食性障害(過
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