僕は思わず「これは・・・」と心の中で絶句した。その風景が冒頭の写真である。 目の前には今しがた地震が起きたと言わんばかりの、被災直後の光景がまるで映画のワンシーンのごとく出現した。校舎はまるで時間が止まったかのように、見上げる僕の視界いっぱいに凄惨な姿を露呈していた。 そのあまりにもリアル(と言っても、これは確かな現実の記録なのだ)な路面の隆起や建物の崩壊シーンは訪れた者を一瞬にして、驚きと不安に満ちた戸惑いの世界へと誘う。 その日、初めて訪れた台湾台中県にある「地震教育パーク」の展示空間は施設の環境が隅々まで整備されており、また美しく緑化された場内のガーデンも手入れが施され、この空間を訪れた人々に心地よい癒しの環境を提供している。しかし、その一方で、そうした空間演出への配慮と真っ向から対峙した形で目の前に展示された「モノ」というよりは、むしろ「コト」の存在は圧倒的な凄みで見る者の視覚に突
![台湾の地震博物館で感じた「期待」と「意外」:日経ビジネスオンライン](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/05f492a9ba706b05ca8fd61b1840b099fb59fdc9/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fbusiness.nikkeibp.co.jp%2Fimages%2Fn%2Fnbo%2F2011%2Fcommon%2Fnbologo_ogimage.png)