そんな面もあるかもしれない。でも本質ではない。そうした目でだけでしか日本を見られない精神構造の国は、自国の生活水準がある程度上がった途端に間違いなく反日国になっている。 現在、親日国と言われる国々と日本は、別の何かで結ばれている。それは恐らく、日本人が長い歴史の中で熟成させてきた精神的支柱に起因している。 江戸時代という長く続いた平和な時代に、武力ではなく支配者として別の価値を自らに見出さなければならなかくなった武士たち。 一方で、この時代に士農工商というそれまで馴染みのなかった迷惑な身分制度を押し着せられた被支配層も、精神的には対等の関係を保とうと人間としての価値を磨くことに余念がなかった。 「日本が中国・韓国より決定的に優れているわけ」の記事で、数学者の桜井進さんは、日本がフィールズ賞やノーベル賞が数多く受賞している理由を江戸時代の教育にあったと語っている。 武士も農民も町民も、教養を