作品は、誰のものなのだろうか。もちろん、作者のものだ。著作権はこの文章を一語一語打つことですらおのずから発生する。もっと単純な話でありながらも最も重要なことは、自分がその作品を作ったという思い入れや自負が何よりも、作品を生み出す際にはクリエイターを突き動かし、先へと進む力を与えることになるという事実だろう。 しかしそれが大きなムーブメントになった作品であればなおさら、作品は1人のものではなくなる。受け取られた瞬間に生まれた多様な解釈は、作者が刻み込まなかったかもしれない言葉を呼び起こし、その作品の続きが見たいという欲望は商業的な要請と融和していく。 「マトリックス」シリーズのおよそ20年ぶりの新作となる『マトリックス レザレクションズ』を見ていると、あらためて、作品は誰のものかということを考えざるを得なかった。そして、クリエイターにとって自分の作ったものはどれほど大切で、クリエイターに自由