お風呂から上がり、バスタオルで髪の毛をわしゃわしゃと拭いていると、コロンとピアスが床に転がった。 お風呂に入る前にピアスを外すのを忘れたのだ。 コロンと転がった青いトンボ玉のピアス。 涼しげで良いのだが、もう夏も終わるからこのピアスは引き出しにしまっておこうと思った。 手に取り、フックをつまんでゆらゆらさせながら眺めていると、青い波のように揺らめいた。 それを眺めていたら、イルカのイヤリングの事を思い出した。 *** 高校へはバスで通学していた。 最寄りのバス停から学校がある終点のバス停までは約30分。 ゆらゆらと揺られながら、友達と話をしたり本を読んだりして過ごした。 部活を終えると、行き先を告げるバスのパネルは大抵、赤か緑色に光っていた。「赤」は最終のバスで「緑」はその1つ前。最終バスなのに、21時と言うのは早すぎではなかろうか?と思いつつも、それ相応の田舎であり、利用者数を考えれば納
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