私が通っていた中学校は白飯は家から持参し、おかずのみを業者が届けるというかたちをとっていた。業者から届けられるおかずは何度も使ってだいぶくたびれているような容器(お弁当箱)に入っていた。 容器をあけると中は3つに仕切られており、メインのおかずと副菜が彩りよく……ではなく、時間がなくて慌てて詰めたかのような姿でおさめられていた。私たちはおかずの容器を取りに行く際、容器の周りじっくりみて、おかずが蓋からはみ出していないものをなるべく選んでいた。皆が容器を持ち上げてぐるりと見ている様は滑稽であった。 おかずはたいてい冷めていた。冷めているにも関わらず、カレーがメインの日などがあり、ほとんど手をつけなかったのを覚えている。というより、私は揚げ物など、固形になっているようなおかずしか食べていなかった。なぜかと言えば、煮ものやあえ物には容器のにおいが移っていて、とてもじゃないけど食べる気がおきなかった
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