飯野:それでは次の話題に移っていきます。ここまでの話で、もう多分どんな人でも(笑)、わかっているかなと思うんだけれども、異性愛が標準とされている世界に住んでいるよね、まぁそれは否めないよね。っていうことと、それを「異性愛がデフォルトの世界」ってここで私たちは今まで呼んできたけれども、そういう「異性愛がデフォルトの世界」では非異性愛の人たちは、リスキーだとは思っていても、わざわざ名乗らなきゃいけなかったり、何度も何度も名乗らなきゃいけなかったり、リマインドしてあげないといけない、しないと存在が消されちゃう、自分が何者であるかっていうことが認識されないまま、なんか「みんなそうだよね」っていう中に入れ込まれてしまう。そういう名乗らなきゃいけないこと自体、ややこしいし厄介だし、面倒くさいし問題だと思っているんだけれども、それだけなのか。今日は「〈名付け〉をめぐるポリティクス」というテーマですけれど