まえがき 「科学技術」をめぐって「バランスをとる」とは何をすることかを考え実践を試みることへの招待 第1章 科学技術をめぐる知性とエートス(勢力尚雅) 第1節 近代的な科学技術を生む知性の特徴 要素還元主義とは何か 要素還元主義が生む文化の特徴 第2節 社会的分業と合意至上主義が生む対話不全 対話を阻害する態度と促進する態度① 「誠実さ」の履き違えによる呪縛のコミュニケーション 対話を阻害する態度と促進する態度② 「責任」についての独特な追及の仕方と回避の仕方 「失敗は伝わらない」 責任回避行動と「わかりやすさ」の罠 第3節 リスクを計測・制御しようとする倫理とその諸問題 予防原則・費用便益計算が生むもの 予防原則 費用便益計算 第4節 生きものとしての科学技術との共生の行方 知性が制御できない科学技術の自己増殖 トランスサイエンスの領域 健やかな生活か災厄か、科学技術がパンドラの函とな
以下、本文のみです。註についてはチェックしていません。比較的大きなものしか指摘していないので、これで全部ではありません。 序文 【訳文】 たとえば、魔術とか魔法といった形式では〔災いは〕もはや把握されないし、善意しかもたない神と、――その存在を失った、とまでは言えないまでも――宇宙論的機能を失ってしまった悪魔とが想定されるようになって以降、宗教という形式でも災いはほとんど把握されえない。 【原文】 Und zum Beispiel nicht mehr in der Form von Zauber und Hexerei und auch kaum noch in der Form von Religion, nachdem man einen Gott angenommen hat, der nur das Gute will, und der Teufel seine kosmolog
Online ISSN : 1884-2755 Print ISSN : 0021-5414 ISSN-L : 0021-5414
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本稿では,いわゆる安全神話を形づくってしまう規制組織の構造的な問題について,社会環境的リスク(「リスク」と表記)と制度的リスク(〈リスク〉と表記)の区別に依拠して分析を行い,この両者が,当事者の視点からみると区別しがたくなっているがゆえに,〈リスク〉管理がかえって「リスク」の拡大を招きうることを示す.しかもこうした傾向は,新自由主義的な潮流の中でさらに拡大していく可能性を有する.まず,東日本大震災による原発震災にいたる過程において,安全規制を担う諸組織が,原子力技術の「リスク」そのものの管理を,非難の回避あるいは信頼喪失の回避といった〈リスク〉管理へと(ルーマンの社会システム論でいう)「リスク変換」したことを,指摘する.すなわち,組織システムは,その「環境」に見出される諸問題をそのシステムにとっての〈リスク〉へと変換し,その変換された〈リスク〉に応答するようになる.とはいえ,この「リスク」
院生向け資料/ HOME フランス革命期のイギリス 1785-1820年 ここに抄訳する資料は、 Jennifer Mori, Britain in the Age of the French Revolution 1785-1820, Longman, 2000. である(『経済学史学会年報』42号に書評有り)。学部生向きの教科書で、政治史・社会史・経済史・知性史などの概観を与えるものである。わが国では言及の少ない、トーリーの動向や宗教についても概説されているところに特徴がある。知性史を意識してまとめられているのも、経済思想史の周辺知識を得るのに都合が良いと言えよう。 例によって、省略・補足・悪文・意図せざる誤訳^^:)有りなので、研究で使用される場合には、必ず原典を参照するように。 目次 序文 2 諸観念と影響 2-1 『人間の権利』 2-2 新旧トーリズム 2-3 商業と近代性のディ
こんにちは、パオロ・マッツァリーノです。 ひさびさにおすすめ本をご紹介。ダン・ガードナーさんの『リスクにあなたは騙される』がハヤカワ文庫になって発売されました。 5年前に単行本で出てたんですね。もっと早く読むべきでした。文庫の帯に池田信夫氏絶賛! の文字が見えることに若干の不安をおぼえますが、本の中身は素晴らしいので心配ご無用。池田さんは、学んだことをご自分の発言や執筆に活かせない不思議な人なんです。 私は『新潮45』の連載「むかしはよかったね?」で、日本の社会は現在、歴史上もっとも安全で犯罪が少ない幸福な社会になってるのに、根拠のない不安におびえてる人が多すぎる、と書きました。そのことを過去の事例や報道、統計で示しても、よのなかはどんどん悪くなっている、犯罪は増えているという誤解はなくなりません。 てっきり、そういうのは日本だけの現象、日本人の神経質な気性によるものなのだろうと思ってたの
キーワード リスク、インフラストラクチャー 、主体 目的 本研究は、未来の不確実性に直面する人々の生活を、「リスク」という概念の検討を通じて捉えなおそうとするものである。グローバル化の進展とともに、世界規模で人・モノ・情報の結びつきが緊密になり、その結果、いかなる社会の人々も、今まで以上の不確実な状況に巻き込まれている。そうした不確実性が、「リスク社会」と呼ばれるように、様々な領域でリスクという、計算可能かつ意思決定を必要とするものとして立ち現れていることは、注目すべき問題だといえる。加えて、人類学者にとってリスクは、調査対象となる人々が直面する問題であると同時に、研究そのものが様々なかたちで孕んでいる問題でもある。では、リスクとはどのようなメカニズムであり、リスクの様々な分野への応用は、諸社会における生活や基礎的な概念(人格、主体、社会的なるもの)に対してどのような影響を及ぼしているのか
福島第一原発事故の長期化に伴う混乱は、政局も巻き込んでいよいよ混沌としてきました。私たちの“安全”に関する切迫した問いの数々――「どの程度の放射線量であれば安全か」「いかなる基準を満たせば原発を再稼動しても安全か」「どの程度の予備電力があれば原発を止めたままでも安全か」をめぐって、いかなる見解を表明しても対立する陣営から(親原発/反原発に)“偏っている、中立でない”というレッテルを貼られる状態が続き、多くの人々が“結局のところ、なにが真実なのか皆目わからない”という不安に包まれています。本書はリスク社会学の第一人者ウルリッヒ・ベック(※)による、そのような状況を予見していたともいうべき講演の記録です。 著者ベックの議論は一般に、純粋な自然災害でありその発生に人間は責任を負わない「危険」(danger)と、逆に人間自身の営みが関与するがゆえに、人間が責任を負わなければならない「リスク」(ri
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