国家論文献リスト - 佐藤成基（法政大学社会学部）
ネーション（nation）と区別された意味での国家（state）についての文献を紹介します。ここで「国家」とは、ある特定の領土を統治する権力機構のことを意味しています。文化や歴史的記憶を共有する人々が構成する共同体であるネーションとは区別されます。 国家を分析するための理論が「国家論（theories of the state）」になるわけですが、何を国家論と呼ぶかは研究者によって様々です。19世紀末以来の欧米の社会科学の歴史のなかで、「国家」を扱った議論は少なくありませんが、まずそれを整理するところから始めましょう。「国家」という言葉を使用しているかどうかは別にして、近代国家を対象とした理論的アプローチとして、代表的なものを以下の４つにまとめておきましょう。 ① マルクス主義的階級論 ② 自由民主主義的多元主義論 ③ エリート主義理論 ④ 制度主義理論 ①は言うまでもなく、マルクス、エン
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H・D・ラスウェル（1948→1954）『権力と人間』 永井陽之助訳, 東京創元社 - Amazon
E・ベルントソン Erkki Berndtson （1994→1996）「主権から権威と影響力へ─民主主義理論における権力の系譜学へ向けて」, 中谷義和・岡林信一訳 『立命館法学』246, 1996-2.
河野秀寿（1986）「〈研究ノート〉政治人類学における政治体系について(一) : 類型論から動態論へ（1922〜1960）」 同志社法學 37(5), 71-112, 1986-01-31 - CiNii
山本 啓（2005）「市民社会・国家とガバナンス (特集 市民社会の公共政策学)」日本公共政策学会 公共政策研究 5, 68-84, 2005 - CiNii
ニクラス・ルーマン（1982）「福祉国家とその限界─福祉国家における官僚制」 - ライブラリ｜公益財団法人 本田財団
中谷義和（2012）「国民国家への視座(赤澤史朗教授上田寛教授退職記念論文集)」立命館法学 2012(5/6), 3555-3624. - CiNii 論文
中谷義和（2017）『国家論序説』 御茶の水書房 - Amazon
岡田 宏太郎（2000）「アンソニー・ギデンズの行為理論・社会システム理論(四)：政治の概念をめぐって」 名古屋大學法政論集 183, 343-385. - CiiNii
田中 拓道（2009）「現代福祉国家研究における「政治」概念 : 1970年代以降の方法の変遷」 法政理論 41(2), 14-39. - CiNii
