『在野研究ビギナーズ――勝手にはじめる研究生活』を読んだ。近所の本屋で発見し、タイトルと帯に引かれて衝動買いしたのだが、研究といった研究をせず大学を卒業してしまった私が読んでも大変面白い本だった。 数人の現役の在野研究者の方が研究方法や生活を紹介するという内容で、リアルな在野研究者の姿を垣間見ることができる。在野であることによる苦労や、研究に向ける姿勢などが赤裸々に綴られており、哀愁すら感じた。 中でも、肩書きで苦労している話が印象的だった。肩書きをどうするかという問題や、肩書きがないということで学会で軽んじられた経験などが書かれていて、在野研究者が微妙な立ち位置に立たされている事実を知った。学歴や所属で判断されることは一般社会でも同じだが、優秀な研究者が在野だからという理由で甘く見られてしまうのは本当に勿体ないことだと思う。 また、仕事の傍で研究している方がほとんどで、仕事している以外の