アメリカの金融監督当局は昨日、銀行の自己勘定売買や投機的取引を規制する「ボルカー・ルール」を承認した。これは、08年の金融危機を招き、その後の公的資金投入による銀行救済につながったリスクの高い取引を規制するものだ。 ボルカー・ルールは、10年の金融規制改革法(ドッド・フランク法)の根幹をなす条項だ。ドッド・フランク法はここ数十年で最悪の景気後退の引き金となった08年リーマン・ショック後に制定された。 金融改革を推進した米連邦準備制度理事会(FRB)の元議長、ポール・ボルカーにちなみ名づけられた「ボルカー・ルール」は、銀行(例えばJPモルガンやモルガン・スタンレー)が自己勘定取引などリスクの高い投資手法を禁止する内容だ。 自己勘定による債券売買取引などは銀行にとって多大な利益を生み出す反面、市場がいったんパニックに陥ると損失も大きく、そのツケをアメリカの納税者が負担する事態になった反省からだ