都内に住む会社員Aさん(30)は今、ぜいたくな悩みで頭がいっぱいだ。 19歳の時から「仮面浪人」して受験し続けた東京大学に今春、晴れて合格したのだ。現在勤める一部上場の大手メーカーを退職して東大に入学するかどうか悩んでいる。 Aさんは三重県の公立高校出身。高校3年生の時、学年でAさんだけが東大を受験したという。現役時は理科1類(理工コース)を受験し不合格。名古屋の予備校に通い捲土重来を目指すが、またも不合格。滑り止めだった早稲田大学理工学部に進学した。 「どうしても東大に行きたかったんです。自分の青春は東大にしかないと信じていた」Aさんは早大入学後も受験勉強を続け、いわゆる「仮面浪人」になった。大学の講義には必要最小限出席し、効率よく試験勉強をこなして単位は落とさなかったが、サークルや飲み会、バイトなど普通の大学生活の楽しみとは無縁の一年間。結果はまさかの三度目の不合格。Aさんはそのまま大