小幡: 確かに景気はよくなって、雰囲気もよくなった。それは事実です。経済学的に言えば、均衡のシフトですが、要は、「アベノミクス」とか「デフレ脱却」は、いわば「開け~、ごま」と一緒で、おまじないに過ぎない。でも、そのおまじないをみんなが信じたことで世の中が動いたということです。 異次元緩和は呪文が効いた結果です お、おまじない? 小幡:日本は長年、いわゆる縮小均衡にはまっていた。リーマンショック以降も、東日本大震災を含め紆余曲折があり、世界の景気が回復する中で日本だけが取り残されていた。メディアのせいもあるし、政治家のせいもある。とにかくみんなで「日本はだめだ」と思い込んでいた。 だから日経平均株価も以前は8000円と明らかに割安でしたが、誰も動かなかった。米国株など海外の株価はばんばん上がっていましたが、当時の日本は誰も動かないから買ってもバカを見るだけ。株価は下がらないかも知れないけれど