色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年作者: 村上春樹出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2013/04/12メディア: 単行本クリック: 3,074回この商品を含むブログ (126件) を見る3年ぶりの新刊ということで楽しみにしていた。発売日に買い求め、通勤の電車の中で少しずつ読み進めた。というと村上春樹さんの熱心なファンのようだが、私は彼の著作の半分くらいしか読んでいない、中途半端な読者だ。短編は結構好き。長編では、「羊をめぐる冒険」「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」が好き。一番はじめに読んだ「ノルウェイの森」は苦手。「1Q84」は好きか嫌いかでいえば嫌い。今回の「多崎つくる」は、本当に村上さんらしい小説だった。この物語世界においては、下品な、もっと悪い言葉でいうとDQNな人物は出てこない。少なくとも主人公を取り巻く人たちは、みんなアッパーミドル的な階層に属していて、