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あんなに好きだったのに - 忘れん坊の外部記憶域
あんなに好きだったのに、今ではもう気持ちは冷めてしまった。 とても好きで、一緒にいたくて、心底欲し... あんなに好きだったのに、今ではもう気持ちは冷めてしまった。 とても好きで、一緒にいたくて、心底欲していて、そう、陳腐で庸劣でそして月並みな表現ではあるが、愛していたのだと今では思う。そんな高尚な表現は適切ではないかもしれないが、まだ精神的に未熟だった僕にとって、あれは愚かで稚拙ながらも愛着の萌芽だったのだ。 あの恋慕は一方通行だった。あちらはこちらのことなど知りもしないだろう。それでも構わなかった。僕が求めていることが重要だった。答えてくれる必要なんて無い。相互で在りたいとすら思わない。それは強がりかと思うだろうが、あの頃はそれで充分だった。 ふと気付けばいつでもその姿を探していた。存在を喜び、不存在を悲しんだ。常に近くにいることは当然叶わない夢だったが、だからこそ夢を追うことに夢中であった。 遠くに行ってしまったわけではない。会おうと思えばいつだって会える。ただ、あの頃の燃え尽きんばかり
2022/03/12 リンク