生き終えた樹木が朽ちてゆくようにわたしの湖(うみ)も乾きはじめる なつかしい匂いの部屋に包まれて時計の音に別れを告げて にんげんのかたちを解いて生命のはじまりの夜を迎えにいこう ひび割れた記憶の束はぜんぶぜんぶベッドの上に置いて、わたしは ひかる窓ひかる天井ひかる扉(ドア)ひらいてひかる道がうまれる 澄みきった青い空へとつづく道 眩しくてそう、なにも見えない なにもかもひかってるからもうわたし光らなくてもだいじょうぶだね やすらかに眠れわたしが呼吸する機能を終えたあとの世界よ note.com 目を閉じて息を澄ましてこの夜と一つになってゆく闇の肌 メランコリアの月はお菓子を食べ過ぎてほろんほろんと降る粉砂糖 魔女の肌色の今夜の月だからケチャップまみれにするオムライス 銀の屑しゅらしゅら砕け降る夜の銀の欠片でみずうみを買う 木枯らしが月の鏡を磨くからぼくら仄かに光っているね 棄てられたピアノ