エグゼクティブサマリー 情報学や計算機科学と物理学との関係の深化が注目されている。情報処理のエネルギー効率と物理法則との関係はこれまでも長らく議論されてきたが、近年では物理学の概念・手法を情報学・計算機科学に応用する方向と、情報学・計算機科学の概念・手法から物理法則を理解するという方向の双方向の交流が理論・実験の両面で活性化している。 本プロポーザルでは、情報学・計算機科学と物理学を橋渡しするような学際的研究を進め、萌芽期にあるこの研究開発領域の成長と物理学・情報学におけるブレークスルーを目指し、以下3つの研究開発課題を提案する。 (1) 物理学の概念・手法を情報学・計算機科学に応用する (2) 情報学・計算機科学の概念・手法を物理学に応用する (3) 物理学と情報学・計算機科学をつなぐ数理基盤を構築する 物理の視点で見るとコンピュータは非平衡系であり、有限時間での熱力学的な状態遷移といえ