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ブックマーク / econ101.jp (74)

  • ポール・クルーグマン「改革保守派が言う新アイディアは昔ながらのやつとなにも変わらない」

    Paul Krugman, “Reform Conservatives’ New Ideas Are the Same Old Ideas,” Krugman & Co., July 18, 2014. [“Trick or Tweak,” July 2, 2014; “The Meme is Out There,” July 9, 2014] 改革保守派が言う新アイディアは昔ながらのやつとなにも変わらない by ポール・クルーグマン KAL/The New York Times Syndicate 先日,『ニューヨークタイムズ・マガジン』のカバーストーリーで,作家のサム・タネンハウスがこう問いかけてた――「共和党はアイディアに満ちた党になれるか?」 そりゃノーでしょ.これもまた,単純な問いに単純な答えが出る一例だ. もっと具体的に言うと,タネンハウス氏が書いてる「改革保守」ってのは,もっ

    ポール・クルーグマン「改革保守派が言う新アイディアは昔ながらのやつとなにも変わらない」
  • ポール・クルーグマン「イラクの妖怪」

    Paul Krugman, “The Specter of Iraq,” Krugman & Co., July 11, 2014. [“The Iraq stain,” The Conscience of a Liberal, June 30, 2014.] イラクの妖怪 by ポール・クルーグマン TUNIN/The New York Times Syndicate 近頃はぼくもイラクがらみの話をめっきり書かなくなってるけど,先日『ニューヨークタイムズ』にジェイムズ・リズン記者が書いたレポートを読むと,あのおぞましさがよみがえってくる.ぼくが言わんとしてるのは,たんに,アメリカ人がウソで戦争に引きずり込まれたってことだけじゃない.ぼくらのメディアと政策エリートたちの大半が,先を争ってイラク討つべしの合唱に加わった.そして,この企ては多くの人命とお金を無駄に費やすことになった. そればか

    ポール・クルーグマン「イラクの妖怪」
  • タイラー・コーエン「寄付は分散するべき?」/「寄付は非効率なのか」

    寄付は分散するべき? Tyler Cowen “Should we diversify our charitable giving?” (Marginal Revolution, October 16, 2006) スティーブ・ランズバーグを引用しつつ、ティム・ハーフォードは次のように述べている。 100ドルを寄付しようとしている人が価値ある大義に満ちている世界にいるのであれば、最も価値ある大義を選んで小切手を切るべきだ [1]訳注;寄付の効果を最大化しようとするなら、一番効果の大きいものに全額を投入するべしという意味。 。でも私たちはそうはしない。その代わり私たちは、5ドルでリブストロング [2]訳注;がん患者支援の団体で、リストバンドのキャンペーンで有名。 のリストバンドを購入し、25ドルをセイブ・ザ・チルドレン [3]訳注;開発途上国の子供を支援することを目的とするNGO。 に約束し

    タイラー・コーエン「寄付は分散するべき?」/「寄付は非効率なのか」
  • ポール・クルーグマン「世襲富豪の問題:マンキュー論説の批判」

    Paul Krugman, “The Trouble With Dynasties,” Krugman & Co., July 4, 2014. [“Sympathy for the Trustafarians,” June 24, 2014.] 世襲富豪の問題:マンキュー論説の批判 by ポール・クルーグマン SMIRNOV/The New York Times Syndicate グレッグ・マンキューが『ニューヨークタイムズ』で相続財産を擁護してる件について,「コメントしてよ」と大勢の人に頼まれてる.奇妙な文章だね.世襲資制に関する現実のいろんな懸念から妙に切り離されてる.ともあれ,ここではマンキュー氏の分析にある主な問題点2つにしぼって議論しよう――1つは純粋に経済学的な問題点,もう1つは政治経済が絡んだ問題点だ. さて,経済学の方から:マンキュー氏の主張によると,代々にわたって財

    ポール・クルーグマン「世襲富豪の問題:マンキュー論説の批判」
  • ポール・クルーグマン「道理のわかる共和党なんて妄想にしか存在しないのよ」

    Paul Krugman, “A Delusional Search for Reasonable Republicans,” Krugman & Co., July 4, 2014. [“On the social responsibility of wonks,” June 25, 2014.; “The lonliness of the non-crazy Republican,” June 22, 2014.] 道理のわかる共和党なんて妄想にしか存在しないのよ by ポール・クルーグマン Angel Valentin/The New York Times Syndicate 先日,元財務長官ハンク・ポールソンが『ニューヨークタイムズ』で気候変動についてとてももの悲しい論説を書いている.彼いはく,我々はまさに金融危機の終熄に向けて対策を打ったのと同じように対策をとらねばならない,です

    ポール・クルーグマン「道理のわかる共和党なんて妄想にしか存在しないのよ」
  • ポール・クルーグマン「結束できてる党,できてない党」

    Paul Krugman, “One Party Is United, The Other, Divided,” Krugman & Co., June 27, 2014. [“Disciplined Democrats,” The Conscience of a Liberal, June 15, 2014.] 結束できてる党,できてない党 by ポール・クルーグマン KAL/The New York Times Syndicate 『ニューヨーク・タイムズ』のコラムニスト Ross Douthat その他の人たちが「民主党はヒラリー・クリントン個人の人気だけでまとまっているだけの脆弱な寄り合い所帯だ」と主張している.先日,Vox の評論家マット・イグレシアスがこうした主張をおしかえす反論を書いた.彼は正しい.ここで,ちょっとだけぼくの考えを付け加えておきたい. イグレシアスが書いている

    ポール・クルーグマン「結束できてる党,できてない党」
  • タイラー・コーエン 「信頼のニューロエコノミクス」(2003年9月30日)/ ブラッド・デロング 「鼻栓をして買い物に出かけよう」(2005年6月1日)

    訳注;記事で紹介されている「信頼ゲーム」の概要は次の通り。まずはじめに、一人のプレイヤー(「送り手」)に10ドルが原資として手渡される。そして、「送り手」は、2つの戦略のうちどちらか一方を選択する。一つ目の戦略は「10ドルを自分の手元に置いておく」(10ドルを独り占めする)であり、「送り手」がこの戦略を選べばゲームはその時点で終了。二つ目の戦略は「もう一人のプレイヤー(受け手)に10ドルすべてを渡す」であり、「送り手」がこの戦略を選べば、10ドルが4倍になって――すなわち、40ドルが――「受け手」の手に渡ることになる。40ドルが「受け手」の手に渡ると、「受け手」は2つの戦略のうちどちらか一方を選択する。一つ目の戦略は「40ドルすべてを独り占めする」であり、二つ目の戦略は「40ドルのうち15ドルを送り手に渡す」(自分の手元に25ドル残す)。「受け手」がどちらか一方の戦略を選択した時点でゲーム

    タイラー・コーエン 「信頼のニューロエコノミクス」(2003年9月30日)/ ブラッド・デロング 「鼻栓をして買い物に出かけよう」(2005年6月1日)
  • ポール・クルーグマン「根深い政治分裂がオバマの業績を見えにくくしてる」

    Paul Krugman, “Deep Divisions Cloud Obama’s Legacy,” Krugman & Co., June 20, 2014. [“The Pundits and the President,” June 10, 2014; “We Will Be Welcomed As Liberators,” June 14, 2014.] 根深い政治分裂がオバマの業績を見えにくくしてる by ポール・クルーグマン Stephen Crowley/The New York Times Syndicate 中道派のオバマ叩きの季節がやってきたみたい.「大統領は無力だ」なんて話をきかされる.「大統領は党の足を引っ張ってる」と民主党員が不満をこぼしてるぞ,なんてメディアで伝えられたりしてる(けど,オフレコ発言ばかりだ). どんな客観的な基準で見ても,これはなんとも変な話

    ポール・クルーグマン「根深い政治分裂がオバマの業績を見えにくくしてる」
  • ポール・クルーグマン「創造的破壊についてドイツが教えてくれること:破壊はやめて高品質を」

    Paul Krugman, “An Innovation Lesson From Germany: Less Disruption, More Quality,” Krugman & Co., June 20, 2014. [“Creative Destruction Yada Yada,” June 16, 2014; “German Labor Costs,” June 17, 2014] 創造的破壊についてドイツが教えてくれること:破壊はやめて高品質を by ポール・クルーグマン John W. Adkisson/The New York Times Syndicate ジル・ルポアが『ニューヨーカー』誌にすばらしい記事を書いてる.ビジネスでも他のどんなことでも「破壊的イノベーション」こそが成功の秘訣だというインチキ話を,ルポアは反駁している.たんにあの手の話を小馬鹿にしてすませずに

    ポール・クルーグマン「創造的破壊についてドイツが教えてくれること:破壊はやめて高品質を」
  • ダイアン・コイル「主流派経済学カリキュラムの総点検を」

    Diane Coyle “The mainstream economics curriculum needs an overhaul” (VOX, 4 May 2014) 今日の学部生は明日の政策決定者であり、学部の経済学カリキュラムには途方もない影響力がある。世界金融危機の前後における多大な政策の失敗は、したがってそれに再考を促している。稿では、カリキュラムの改革の必要性についてある程度のコンセンサスは存在するものの、それがこの教科の基盤となる礎石を排除することを意味するのかどうかについては何ら合意がないことを論じる。しかしながら、この先5年ないし10年の学部コースはその性質をがらりと変えていることはほぼ間違いないだろう。 金融危機の遅れてやってきた影響のひとつは、経済学の教え方を変えようとする広範囲かつ一見増大しつつある欲求だ。チリとイギリスの声高なグループをはじめとして、このところ

    ダイアン・コイル「主流派経済学カリキュラムの総点検を」
  • ポール・クルーグマン「お安くて野心的な気候変動対策」

    Paul Krugman, “An Ambitious Plan For Climate Change,” Krugman & Co., June 6, 2014. [“Coal Comfort,” June 2, 2014; “Cheap Climate Protection,” May 28, 2014.] お安くて野心的な気候変動対策 by ポール・クルーグマン HAGEN/The New York Times Syndicate オバマ大統領に失望感を抱いている人と,このまえ議論する機会があった.オバマ大統領は,支持者たちの大きな期待に答えてくれなかった,というのがその人の不満だった.そこでぼくがこう言って返すと,彼はびっくりした様子だった:ぼくはだんだん彼のことが好きになってきてるけどね,2期目に入ってから彼が辛抱強くやるようになって. もちろん,「高邁な修辞でぼくらの政治生活が

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  • ポール・クルーグマン「失敗してるピケティ批判」

    Paul Krugman, “A Failed Critique of Piketty,” Krugman & Co., June 6, 2014. [“Thomas Doubting Refuted,” May 30, 2014; “That Old-Time Inequality Denial,” May 31, 2014.] 失敗してるピケティ批判 by ポール・クルーグマン Ed Alcock /The New York Times Syndicate 著書『21世紀の資論』をやっつけようとした試みに対して,経済学者トマ・ピケティが長文で反論を書いてる (PDF).批判したのは『フィナンシャル・タイムズ』の経済編集者クリス・ジルスだ.ピケティの反論は実にうまいことやっている.要点を言うと,ジルス氏はリンゴとオレンジを比べるようなムリなことをして,結果としてレモン〔不良品〕がでてき

    ポール・クルーグマン「失敗してるピケティ批判」
  • ポール・クルーグマン「なんで経済学者は人口成長を気にかけるの?」

    Paul Krugman, “Why Economists Worry About Population Growth,” Krugman & Co., May 30, 2014. [“Demography and the Bicycle Effect,” May 19, 2014;”Cheese-eating Job Creators,” May 21, 2014.] なんで経済学者は人口成長を気にかけるの? by ポール・クルーグマン Edwin Koo/The New York Times Syndicate 経済学者アルヴィン・ハンセンが「長期停滞」(secular stagnation) の概念をはじめて提案したとき,彼は投資需要の低迷に人口増加の鈍化が果たす役割を強調した. 現代の議論は,この強調点をふたたび取り上げるようになっている:日の労働人口減少は,あの国が抱えるいろん

    ポール・クルーグマン「なんで経済学者は人口成長を気にかけるの?」
  • ジェームズ・ハミルトン「ピケティへの批判」

    James Hamilton”Criticisms of Piketty” (Econbrowser, May 25, 2014 ) トマ・ピケティの新著「21世紀の資論」について、多くの議論がなされている。批判については賛同できる部分もあるし、そうでないところもある。 ここ最近槍玉にあげたのはクリス・ジルスで、ピケティが公開しているデータとスプレッドシートに「一連の問題とエラー」を発見した。ポール・クルーグマンは次のように反応している。 ジルスはいくつかの明らかな間違いを発見しているが、それはそんな大したものじゃないように思える(略) でも、財産格差が上昇しているというピケティの全体としての命題が間違っているということはあるんだろうか。そんなわけない。そしてジルスがそんな結論に達しているという事実は、彼自身が何らかの間違いを犯しているという強力な印でもあるんだよ。 この推測についてクル

    ジェームズ・ハミルトン「ピケティへの批判」
  • ポール・クルーグマン「自由市場がいつでも最良の処方ってわけじゃない」

    Paul Krugman, “Free Markets Are Not Always the Best Medicine,” May 23, 2014. [“Faith-based Freaks,” The Conscience of a Liberal, May 16, 2014.] 自由市場がいつでも最良の処方ってわけじゃない by ポール・クルーグマン Mark Graham/The New York Times Syndicate 新しく出たスティーヴン・ダブナーとの共著『ヤバい思考法』(Think Like a Freak) で,スティーヴン・レヴィットがこんなことを書いている.イギリス首相デイヴィッド・キャメロンに,国民保健サービスをつぶして市場の魔法に保健問題を任せちゃった方がいいですよとレヴィットは語ったんだそうだ.これでレヴィットはお利口ぶりを発揮したつもりだった.ところ

    ポール・クルーグマン「自由市場がいつでも最良の処方ってわけじゃない」
  • クルーグマン「銀行制度を再考するきっかけ」

    “A Push to Rethink How Banks Work,” Krugman & Co., May 9, 2014. [“Is A Banking Ban The Answer?” The Conscience of a Liberal, April 26, 2014.] 銀行制度を再考するきっかけ by ポール・クルーグマン TUNIN/The New York Times Syndicate 金融改革の論争が実に面白いことになってる.自分の立ち位置にも確信がもてない.でも,語る意味があるのは間違いない. 経済学者 Atif Mian と Amir Sufi がブログで,100パーセント準備金銀行経営を義務化するかその強力なインセンティブをつくりだすべきという提案に,注意をうながしている.この提案をしたのは,『フィナンシャル・タイムズ』コラムニストのマーティン・ウルフと,さらに

    クルーグマン「銀行制度を再考するきっかけ」
  • タイラー・コーエン 「犬は三日の恩を三年忘れず、猫は三年の恩を三日で忘れる。それでは人間は?」(2008年6月17日)/「“because”という言葉が持つ力」(2008年6月25日)

    タイラー・コーエン 「犬は三日の恩を三年忘れず、は三年の恩を三日で忘れる。それでは人間は?」(2008年6月17日)/「“because”という言葉が持つ力」(2008年6月25日) ●Tyler Cowen, “The decay of gratitude”(Marginal Revolution, June 17, 2008) フランシス・フリン(Francis Flynn)の研究によると、一方の側から他方の側へと好意が施された直後においては、好意の受け手はその恩(好意)を好意の送り手よりも高く評価する傾向にあるという。しかしながら、時が経つにつれて、相手から受けた好意に対する受け手の側の評価は低下傾向を辿る一方で、自分が施した好意に対する送り手の側の評価は上昇傾向を辿ることになるという。このようない違いが生じる理由はいくつか考えられるが、時が経つにつれて好意のやり取りに関する記憶

    タイラー・コーエン 「犬は三日の恩を三年忘れず、猫は三年の恩を三日で忘れる。それでは人間は?」(2008年6月17日)/「“because”という言葉が持つ力」(2008年6月25日)
  • ポール・クルーグマン「にっちもさっちもいかないアメリカの道路」

    Paul Krugman, “An American Road to Nowhere,” Krugman & Co., May 2, 2014. [“The Folly of Prudence,” April 29, 2014 / “A Monetary Puzzle,” April 28, 2014. ] にっちもさっちもいかないアメリカの道路 by ポール・クルーグマン Jim Wilson/The New York Times Syndicate アメリカの道路は,多くがかなりひどい状態になってる――先週,家族の用事でニュージャージーからマサチューセッツまで車で往復してみた経験で,これは証言できる.この事実を,その下地にあるマクロ経済状況と組み合わせてみると(マクロ経済の話はこのあとすぐ),道路修復にかなりの金額を支出すべきって主張は当たり前に思える. さて,オバマ大統領は先日,実際

    ポール・クルーグマン「にっちもさっちもいかないアメリカの道路」
  • ポール・クルーグマン「スウェーデン国立銀行のおかげでスウェーデンは罠にはまった」

    Paul Krugman, “Riksbank Officials Lead Sweden Into a Trap,” Krugman & Co., May 2, 2014. [“How Do You Say ‘Nobody Could Have Predicted’ In Swedish?” April 18, 2014; “Further Notes on Sweden,” April 20, 2014.] スウェーデン国立銀行のおかげでスウェーデンは罠にはまった by ポール・クルーグマン HENG/The New York Times Syndicate メールで,スウェーデン発のニュースを教えてもらった.スウェーデンと言えば,デフレを甘く見るのをやめて,仕事に着手した国だったよね. そのニュースにはびっくりだ:近年の金融危機を最初にかなりうまく切り抜け,しかもユーロ加盟国としての

    ポール・クルーグマン「スウェーデン国立銀行のおかげでスウェーデンは罠にはまった」
  • タイラー・コーエン「トマ・ピケティに賛成できない理由」/「大著の読み方」

    (訳者補足:関連エントリがあります。) ●ピケティと同様のアイデアであるピケティの共著論文の紹介 ●クルーグマンのコメント ●ノア・スミスのコメント ●デロングのコメントのhimaginary氏による紹介 ●クルーグマンの書評英語) トマ・ピケティに賛成できない理由 Tyler Cowen “Why I am not persuaded by Thomas Piketty’s argument“(Marginal Revolution, April 21, 2014) フォーリン・アフェアーズに寄せた書評はこちら(Firefoxを使っていて開かない場合には、「新しいプライベートウィンドウで開く」を使うように)。ここではその全部には触れずに、ブログ読者のためにいくつかの点をやや異なった用語を使って言い換えてみたい。 1.収益率が経済の成長率より高くなったままならば賃金が上がる可能性が高い

    タイラー・コーエン「トマ・ピケティに賛成できない理由」/「大著の読み方」