[著者]安田敏朗 日本医学と「言語的事大主義」。 いまは忘れられた、ドイツ語を日本語の語順でならべて助詞などでつなげた「てにはドイツ語」とは、ドイツ語で医学教育がおこなわれるという、きわめて特殊で限定的な場で発生し、流通した言語変種といえる。「てにはドイツ語」による教科書も出されている。この言語変種をめぐって、日本医学界ではいかなる議論がなされたのか。「医学のナショナライズ」「ナショナリズムの医学」「日本医学」「大東亜医学」、敗戦後の「アメリカ医学」=アメリカ英語への転換、それは、近代日本語のあり方のみならず、学知のあり方までをもうかびあがらせるものである。 →PDFで試し読み 定価=本体 3,500円+税 2021年5月20日/四六判並製/454頁/978-4-88303-529-8 [目次] 序章 近代日本と「てにはドイツ語」 1 1 「てにはドイツ語」とはなにか 2 2 専門
[著]佐藤康邦 ヘーゲルは、『法の哲学』の主題を「自由」であると語っている。国家、社会を哲学の立場から論ずるということは、国家、社会、そして文化一般を、人間とはいかなるものか、とりわけ人間の考える能力というものはどのようなものかという所にまで引きつけて検討することである。 本書は、 四角四面に構えて、国家、社会を論ずるということを逸脱した、読者の微苦笑を誘うような「人間通」ヘーゲルという側面を表面に取り出しつつ、 難解きわめるヘーゲル『法の哲学』をときほぐし、その全体像を 分かり易く解説し、本棚の奥で埃のなかに埋もれさせておくには余りにも惜しいと言うべき、豊穣かつ新鮮な知を提示する。 【電子書籍版もあります】 定価=本体 1,500円+税 2016年11月10日/B6判並製/152頁/ISBN978-4-88303- 411-6 [目次] 第1部 近代国家の現実と哲学――ヘーゲル『法の哲学
[著者]桜井隆 これまで言語研究で取り上げられることのなかった従軍記、回顧録、部隊史などから片々たる記述を拾い、当時の言語接触のあり様や日中語ピジン(「協和語」「兵隊支那御」など)を再構築することを試みる 。 [書評・紹介] 《日経新聞》「文化往来」2015年10月15日 『ことば』36号、現代日本語研究会、2015年、評者:安田敏朗氏 『社会言語科学』2017年9月、評者:簡月真氏 定価=本体 7,500円+税 2015年7月31日/A5判上製/592頁/ISBN978-4-88303-361-4 [目次] 序章 ピジン研究における英語とアカデミズムの桎梏 001 1 浜松ピジン 001 2 英語情報の偏重 002 3 卑俗な文章の軽視 003 4 本書の立場 003 5 「満州」 004 6 戦争・事件等の名称 005 7 引用の方針 005 第1章 日中語ピジン――「協和語」「兵隊支
[著者]佐野直子 さまざまな「話すという事実」において、何がおきているのか。── 「社会言語学のまなざし」には、実際にことばを使っている「話者」のありかたと、その「ことば」が実際に使われているそれぞれの「社会」のありかたが、つねに含まれている。ことばが使われる現場とそこにいる「話者」を徹底してまなざし、そこにあらわれる「ことば」の多様な姿を、多様な形で記述することで見えてくるものとは。 第2刷版索引 定価=本体 1,600円+税 2015年6月10日/B6判並製/184頁/ISBN978-4-88303-384-3 [目次] はじめに iii 1. 社会言語学のまなざし 1 まなざし① ことばの「多様さ」に目を向ける 2 ある論文のタイトル 2 ことばの指標性 5 まなざし② ことばの「変化」に目を向ける 7 さまざまな言語研究における、ことばの「変化」への態度 7 ことばが変わるのではな
[著者]ましこ・ひでのり 戦後日本列島に「襲来」するゴジラをめぐる知識社会学―― 誕生から 60 余年をへて戦後日本サブカルチャー史に確固たる位置を占める「ゴジラ」シリーズはじめ特撮怪獣映画・テレビドラマ。これらの作品群のかかえる寓意や政治性 - 思想性をめぐりさまざまな言説がくりひろげられてきた。制作陣・観衆が共有した戦争体験・戦争観や「南方幻想」など地政学感覚や、歴史意識を整理しながら、軍事大国化への夢想やオリエンタリズムなど、批評家たちの無自覚な自己投影をえぐりだす。 定価=本体 1,700円+税 2015年5月20日/四六判並製/232頁/ISBN978-4-88303-381-2 [目次] 凡例≒構成と注意 7 はじめに 9 1章 「戦後」のおわりと“Kaiju”のグローバル化 13 1-1 Wikipediaがうつしだす“Kaiju”のグローバル化と、その思想史的意義 14 1
[著]塩川伸明 ナショナリズムという難問に挑む―― グローバリズムの強まりと軌を一にしてナショナリズムの波が世界をおおう今日、いかにして他者・異文化理解は可能なのか。リベラルナショナリズム、オリエンタリズム論、ポストコロニアル論、人類学、社会学、社会言語学等の理論的考察、そして旧ソ連・ユーラシア世界の歴史と現状の実証的研究をつうじ、あらためて言語・民族・エスニシティ・ネイションを考察する。 [書評] 『ロシア・東欧研究』(ロシア・東欧学会年報)第44号、2015年、評者:中井遼氏 定価=本体 2,800円+税 2015年3月15日/四六判並製/336頁/ISBN978-4-88303-380-5 [目次] はしがき 11 序 章 ナショナリズムの受け止め方――社会思想史的検討へ向けた一試論 21 1 問題の所在 21 2 ナショナリズム評価の変遷 24 3 ナショナリズムとリベラリズム 3
[著]高野さやか 国家法と慣習法は、現在どのような関係にあるのか。北スマトラ州の多民族多文化都市メダンの地方裁判所からみた国家法(フクム)と慣習法(アダット)の動態を法人類学の視点から読み解く。 [書評・紹介] 『法社会学』第82号、2016年、評者:荒木亮氏 『文化人類学』81/4、2017年、評者:中空萌氏 [受賞] 日本法社会学会第17回学会奨励賞(著書部門) 定価=本体 4,000円+税 2015年2月28日/A5判上製/208頁/ISBN978-4-88303- 378-2 [目次] はしがき 10 第1章 序論――理論的背景と問題の所在 13 1 法人類学の軌跡――慣習法研究から法多元主義へ 15 2 法多元主義の功罪 19 3 拡大する法的領域と人類学 21 4 法人類学の再定義 24 5 本書の構成 27 第2章 インドネシアにおける法 29 1 多元的法体制の要素としての
[編]『ことばと社会』編集委員会 [リンク] 本誌掲載の手話連載⑦、大杉豊著「国際手話――手話言語接触現象とその先に見えるもの」の手話言語版を、YouTubeでご覧いただくことができます。 →https://youtu.be/lwTED-uxYyQ 定価=本体 2,300円+税 2014年10月31日/A5判並製/276頁/ISBN978-4-88303-365-2 [目次] 特集:セクシュアリティ、権力、撹乱 〈序論〉 Ⅰ.なぜ、そしてどのようにセクシュアリティをことばの問題にするのか/定松 文 4 Ⅱ.性的少数派と言語現象をめぐって/ましこ・ひでのり 19 ことばとセクシュアリティ――日本語研究への招待/中村 桃子 32 「変身したいです」――テロップを通して画面に書き込まれる欲望とアイデンティティ/クレア・マリィ 57 言語実践に着目したセクシュアリティ研究へ向けて ――ゲイ男性が用
[著者]ヴィル-エーリヒ・ポイカート [訳者]中山けい子 西暦1500年前後は、農民的文化と市民的文化が相克する時代であり、重大かつ決定的な変化が起きた時代である。伝説に登場する表象、動物のデーモン、巨人、森に棲む怪人、家精、元素の精などは、興隆する市民の文化の影響を受けて大きく変化する。本書は、伝説を史料として民衆の俗信の変化、表象の変容を、歴史民俗学、精神史や民衆史の観点から描き出した画期的試みである。 定価=本体 2,800円+税 2014年10月20日/四六判並製/356頁/ISBN978-4-88303-362-1 [目次] はじめに 7 動物のデーモン 17 狼 17 竜 24 バシリスク 45 滅びゆくものたち 51 巨人 52 テュルスト 63 ローカルデーモン 68 リューベツァール 83 野人たち 93 森の野人たちとその罪深い欲望 104 古い森のゾッ
[著]中村敬+峯村勝+髙柴浩 初級英語教科書の実作を通して、学校英語の根本的な改革を提起する。 本教科書は、英語教育をとおして批評力・批判力を培うために近現代史を題材の中心にすえ、読みごたえのある教材を提示する。英語の文体感覚を身につけるために教材は叙述文を中心にしてある。中学生から社会人まで多くの人に初級英語で語れることの豊富さを実感してほしい。 [書評・紹介] 《東京新聞》2014年7月2日夕刊 『新英語教育』2014年10月号、評者:泉康夫氏 『英語教育』2014年11月号、大修館書店、評者:森住衛氏 定価=本体 3,700円+税 2014年5月20日/B5判並製/328頁/ISBN978-4-88303-357-7 [目次] まえがき 1 「英語教育神話」の深層/中村敬 5 【教科書編】 本教科書の編集方針 34 教科書 第1巻 45 Unit 1 英語の文字 Lesson
[著]ましこ・ひでのり ヒトはなぜヒトはなぜ走りつづけるのか。ネット社会をはじめとした技術革新、移動や情報 伝達の超高速化は、時間的ユトリや幸福をもたらさず、皮肉にも、不安とあせり、そして格差を助長する。ヒトをおいたてる現代社会の切迫感はどこからくるのか。「時間泥棒」の正体に肉迫する。 [関連記事] 《東京新聞》「考える広場」、2014年4月19日 定価=本体 1,700円+税 2014年3月15日/四六判上製/200頁/ISBN978-4-88303-359-1 [目次] 凡例≒構成と注意 7 はじめに 9 1章 加速化のとまらない現代 11 1-1 高速移動と情報化社会のもたらしたもの 12 1-2 「時間泥棒」はどこにいる? 24 1-3 加速化社会のもたらした「ヒマ」 32 1-4 死ととなりあわせの超合理化圧力 36 2章 おおきく、おもたく、永続しようとする存在から、ちいさく、
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