「大川原化工機」(横浜市)の機械輸出を巡る冤(えん)罪事件で、勾留中に体調を崩し「被告」のまま亡くなった元顧問の親族が拘置所医療の改善を訴えて国に損害賠償を求めた訴訟の判決が21日、東京地裁である。判決を前に、国際的な人道ルールからみて不十分な刑事施設の医療の在り方、罪を認めなければ長期に身柄拘束される「人質司法」との関係を考えた。(山田雄之)
![「拘置所だから」医療の質が低くてもいいのか 冤罪と病に苦しみながら亡くなった男性の息子の涙と怒り:東京新聞 TOKYO Web](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/4fba8f6f2284749cce5cc033c6e9493a1db3e7ac/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fstatic.tokyo-np.co.jp%2Fimage%2Farticle%2Fsize1%2Fd%2Fc%2F8%2F4%2Fdc84b80b4c569c7cd9d2576b7354d459_1.jpg)
性被害を知った母は自ら命を絶った…遺書につづられた、ジャニーズ事務所に写真と履歴書を送ったことへの後悔 旧ジャニーズ事務所(現・スマイルアップ)創業者のジャニー喜多川氏(2019年死去)による性加害問題で、被害に遭ったジャニーズJr.(ジュニア)の元レッスン生の男性(55)が取材に応じ、母親に性被害を打ち明けた1カ月後、母親が自殺したことを明かした。遺書には、男性の写真と連絡先を事務所に送ったことへの後悔と謝罪が書かれていた。母親への告白を40年以上悔やみ続け、「自分の人生はめちゃくちゃにされた。事務所が、今後も子どもを育成しマネジメント業務を続けることはあってはならない」と怒りを込める。(望月衣塑子)
絵と文-二つの筆を操る司修さん(87)ならではの最新刊だ。六月刊行の『私小説・夢百話』(岩波書店)は、この四十年の間に見てきた夢の世界の表現を自らの絵と文章と装丁とで完結させている。東京都武蔵村山市にある緑豊かなアトリエを訪ねると、司さんは穏やかな語り口で説明した。
ジャニーズ事務所の創設者ジャニー喜多川氏(2019年に87歳で死去)による性加害問題で、俳優の服部吉次さん(78)が都内で取材に応じ、小学生だった70年前に、喜多川氏から自宅で100回近く繰り返し性暴行を受けていたと証言した。
毎晩9時。自宅のWi—Fiが強制的に切れ、ゲームができなくなると、長男は「あと30分延長して」と求めてくる。断る夫と口論になり、やがて暴れるようになった。
皓星(こうせい)社(東京・神田神保町)が「従来とは異なる切り口で文学作品を蒐集(しゅうしゅう)したアンソロジー(選集)」として、シリーズ「紙礫」の第一作『闇市』(マイク・モラスキー編)を刊行したのは二〇一五年八月。以来断続的に刊行を続け、二二年十一月には第十六作となる『女中』を出版した。 本書の編者阪本さんは社会学・メディア史・出版文化論を専攻。著書に『「平凡」の時代−1950年代の大衆娯楽雑誌と若者たち』(昭和堂)、編著には『高度成長期の<女中>サークル誌−希交会「あさつゆ」』(全十巻、金沢文圃閣)などがある。皓星社の晴山生菜社長は「阪本さんの研究分野に元々興味があったので『女中』を編んでほしいと依頼した」という。
六〇年代の荒木一郎の活動、日常を荒木自らが綴(つづ)った。しかし本書は自伝ではない。あくまでも小説だ。ドキュメンタリーのようで、フィクションだ、ということにしておくのが荒木流の現実への配慮であり、あえていうなら慈しみであり愛情表現なのだと思う。 荒木の視線は常に鋭利だった。六十年近くを経ても記憶が劣化していない。そう思えてならぬほど、ゆったりとした筆運びによる描写は鮮やかだ。荒木の体内に保存されていた、その、時と場所と人々が醸し出し漂わせていた空気が、草が芽吹いていくようにページから放出される。読み進むことで登場人物たちと交流していくような、心持ちになれる。 物語の視点の中心にいるのは荒木である。自分以外の人々の感情のありようを冷静に記す。しかしそこにはニヒルな演出やシニカルな視線はない。気に入らなければ反抗し対立もする。我を通すにあたって、物事の道理をわきまえて行動していく。道理の通らぬ
旧統一教会の問題を巡り、宗教法人法による解散命令が取り沙汰されている。過去に命令を受けた法人は二つ。オウム真理教と、詐欺事件で問題になった明覚寺だ。その明覚寺の関連施設が茨城県大子町にあると聞き、訪ねてみた。人里離れた山の中で出合ったのは−。(加藤裕治) 二車線あった山道は、カーブを曲がるたびに細くなり、ついに車一台でぎりぎりの幅になった。もうここまで。山頂にあったツツジ園の駐車場に車を止め、落ち葉が覆う道を徒歩で上ったり下ったりすること十五分。屋根が落ち、鉄骨がむき出しになった建物の横に立った。荒れ果てた様子に「破(や)れ寺」という言葉が頭に浮かんだ。 ここが本覚寺。「取り付いた霊を供養しなければ」と不安をあおり、巨額の金を集めた「霊視商法」の舞台になった寺院だ。返還を求める訴訟が相次ぐと、寺の関係者らは和歌山県の明覚寺を買収して同様の活動を続けた。その後、詐欺の刑事事件に発展し、二〇〇
「知の巨人」と称されたジャーナリスト故・立花隆さんの取材資料の行き先が不透明になっている。4月に茨城県のテーマパークへの寄託が報じられたが、故人が遺志を明示していなかったため、相続人が判断しかねているという。「段ボール100箱分」とされる資料が廃棄されてしまえば、後進の研究者やジャーナリストの損失は計り知れず、交流のあった関係者は危機感を募らせる。(西田直晃) 都心から車で1時間半。茨城県筑西市の「ザ・ヒロサワ・シティ」の一室に、「ロッキード」と走り書きされたスクラップブック、「共産」と記された段ボール箱が積み上がっている。立花さんが残した取材資料の一部だ。「ネコビル」と呼ばれた都内の事務所から6月、運び込まれた。民法上の「寄託」の位置付けで、立花さん側に代わって保管する前提だった。 「彼は日本政治を変えた男だし、何より茨城から世に出た。全資料を保管し、いずれは公開したい」とシティを運営す
原作者の梁石日(ヤンソギル)さんは渡されたシナリオを読んでたたき返したそうだ。タイトルも中身も原作とまったく違う▼書きたかったのは在日コリアンの抱える問題なのに監督と脚本家が相談もなく変えている。映画は『月はどっちに出ている』。監督の崔洋一さんが亡くなった。七十三歳。同作や『十階のモスキート』『血と骨』など独特でインパクトの強い作品を数多く残した▼在日コリアンを描いた映画といえば弱者の悲劇を見つめ、社会正義を訴える作品になりやすいか。在日朝鮮人の父親を持つ監督はその選択をしなかった。描いたのは「隣に住んでいる、あるがままの在日(コリアン)」。それが新しかった▼社会派と呼ばれる監督だが、主張を押しつけたりはせず、何よりも観客を楽しませることを意識していた。社会批評と娯楽性の絶妙なバランス。その結果、映画を見た後に「崔洋一」という複雑で人間くさい個性が浮かびあがる。そんな不思議なメガホンをお持
ロシアのプーチン大統領が戦争継続のため21日に発令した動員令を受け、極東サハ共和国など各地で予備役の招集が始まった。一方、ロシアのコネ社会を反映し、政府高官の子息らが招集の対象外となっている疑惑がネット上で拡散、反発も強まっている。 収監中の野党指導者ナバリヌイ氏(46)の支持者は21日、軍事委員会メンバーを装い、ペスコフ大統領報道官の息子ニコライ氏に電話し、出頭を命じた。ニコライ氏は「私はペスコフ姓の人間だ。この問題は高いレベルで解決される」と主張。この通話内容が交流サイト(SNS)上で拡散したため、ペスコフ報道官は22日、「発言が切り取られて伝えられている」と弁明に追われた。 ニュースサイト「レンタ・ル」によると、上下両院の議員や高級官僚は招集の対象外とみられ、反発の声が広がっている。モスクワ在住の男性(38)は「高級官僚とその子息たちを招集し、彼らがウクライナで戦死すれば、戦闘は
第2次世界大戦中、10万人を超す死者を出しながら、海外ではあまり目を向けられない東京大空襲を取り上げたノンフィクションが、米国でベストセラーになった。「ボマーマフィアと東京大空襲」(光文社、桜井祐子訳)。著者で人気作家のマルコム・グラッドウェルさん(58)はなぜ、大空襲を主題にしたのか。何を学ぶべきだと考えているのか。オンラインでインタビューした。(北川成史) Malcolm Gladwell ノンフィクション作家・ジャーナリスト。英国生まれで、カナダで育ち、米ニューヨーク在住。ワシントン・ポスト紙の記者を経て『第1感』『天才!』などの国際的ベストセラーを著した。米誌タイムの「世界で最も影響力のある100人」にも選ばれている。
本年二月に五十四歳で急逝した西村賢太。亡くなる数日前に新聞紙上に力のこもった石原慎太郎氏の追悼文を寄稿したばかりで、文芸誌の次回の連載原稿も仕上げていた。実は、数年かけた連載はあと五十枚ほどで完結するはずだった。 未完に終わったその最後の作品が本作である。原稿用紙千枚を超える、畢生(ひっせい)の大作だ。私小説というジャンルにこだわり、作家自身の私生活や過去を晒(さら)してきただけに、主人公の名を掲げた「さらば、北町貫多」との帯を見ると、現実と虚構がないまぜになり強い寂寥(せきりょう)感に打たれる。 ただ、「未完の大作」というとまるで雄大な山脈のようにも聞こえるが、描かれるのはヒロイズムからはほど遠い、みみっちく、バカバカしく、下ネタまみれの話ばかりである。女性関係も身勝手な嘘(うそ)や、妄想の独り相撲。ほんとうにひどいものだ。しかし、そんなバカバカしい話を牽引(けんいん)する語りの力が圧倒
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