前回のコラムで、将棋の戦法は大きく分けて二つあるということをご紹介いたしました。まずは復習として、それぞれの図面をご覧ください。 【第1図】 第1図が飛車を移動して戦う、「振り飛車」と呼ばれる戦法です。 【第2図】 そして、第2図が、飛車を動かさずに戦う「居飛車」と呼ばれる戦法です。ここまで読まれて、あれ? 玉がまだ全然動いていないじゃないか。こう思われる方もいらっしゃることでしょう。ですが、どちらの図も初期局面から、たった数手しか指していません。ここから、どういうふうに玉を守っていくのかをこれからご紹介していきます。では、第3図をご覧ください。 【第3図】 こちらが「美濃囲い」と呼ばれる玉の守り方です。将棋の格言に「玉の守りは金銀三枚」というものがありますが、3八の銀、4九と5八の金の合計三枚で玉を守っていますね。また、「攻めの基本は飛車角銀桂」という格言もありますが、6八の飛車、8八の