はじめに 遠い昔、布団の中で絵本を読み聞かせてもらいながら寝かしつけられていた時代が、私にもありました。 そして、我が父シロイ・ネコヒコ(仮名)は時折、どんな絵本にも載っていない、オリジナルおとぎばなしを作って、妹と私に聞かせてくれました。 今日は父の代表作である『でぶっちょシンデレラ』をご紹介いたします。 本文 昔むかし、あるところに、ひとりの女の子がいました。 女の子はおかあさんを早くに亡くし、おとうさんはのこされた女の子をたいそうかわいがりました。 やがておとうさんは再婚しました。新しいおかあさんは、二人のむすめをつれてきました。 女の子はシンデレラとよばれていましたが、これは本当の名まえではありません。 シンデレラというのは、日本語になおすと「灰かぶり」。その名のとおり、シンデレラはいつも灰にまみれ、よごれていました。 いいえちがいます、新しいおかあさんやおねえさんたちが意地悪だっ