酸菜とは中国東北地方の郷土料理だ。 僕の両親は黒竜江省牡丹紅市の出身である。ここは中国でも最北に位置する地域だ。ロシアと国境を接するところでもある。緯度は北海道と同じくらいかすこし北側なので極寒の地だ。雪が大量に降るので冬季は野菜が取れない。そこで保存食をつくる。それが酸菜だ。 我が家では親の出自の関係もあって子供の頃から家でよく出た料理である。子供の頃は大嫌いだったが(中華料理全般が嫌いだったが)今では美味しく食べている。 酸菜を解りやすく説明すると、ザワークラウトの白菜版だと思って貰えばいい。ドイツ料理のキャベツの漬物だ。キャベツを漬けて発酵させる。酸菜は白菜を発酵させる。 本場では人が入れるくらいの大きな壺に塩水と白菜を入れて、重しをかけて野外に置いて1か月ほどかけて発酵させる。10月ごろに漬けはじめて、翌年の6月までかけて食べるのだという。野菜が自由に手に入らない冬季においては貴重