最長政権が「桜を見る会」で揺れる中、森達也監督の新作『i-新聞記者ドキュメント-』を観た(試写会じゃなくて自腹切って観た)。 東京新聞・望月衣塑子記者を追ったドキュメンタリー映画である。 感想は、と言えば、むちゃくちゃ面白かった。何しろ空気を読まない森達也が、同じく空気を読まない望月記者にカメラを向けたのだから面白くないわけがない。望月記者におとなげなく「嫌い」という態度を全開にする菅官房長官。いつも彼女の質問を遮る官邸スタッフ。伊藤詩織さんの裁判や森友問題、加計問題、辺野古基地建設問題など全国を飛び回って取材し、政治家や官僚たちに怒涛の勢いで質問をぶつけていく望月記者。その姿は、シビれるほどにカッコいい。 この映画が描くのは、そんな望月記者を通して浮かび上がるこの国の空気だ。そして集団心理や同調圧力、正義の暴走という「ザ・森達也」なテーマに私たちのあり方そのものが問われる。 そんな森さん