国民の「知る権利」を侵害する恐れのある特定秘密保護法案。参院で審議中の修正案をまとめた自民、公明、日本維新の会、みんなの党の四党は昨年末の衆院選と今年七月の参院選で、いずれも法案成立を公約に掲げていない。重要法案にもかかわらず、有権者の審判は経ていない。十分な国会審議をせず、成立だけを急ぐ姿勢に正当性はない。 (関口克己) 自民党は二つの国政選挙の公約に、外交・安全保障政策を協議する日本版「国家安全保障会議(NSC)」の設置は明記したものの、安倍政権がNSCと一体と位置付ける秘密保護法案は盛り込まなかった。 自民党が公約に合わせて発表した総合政策集には「情報保全・公開に関する法整備」と抽象的な表現はあるが、秘密保護法案という言葉はなく、具体的に何をしようとしているのか分からない。そもそも、自民党は総合政策集が公約なのかどうか曖昧にしている。