承前。 http://d.hatena.ne.jp/Arisan/20090706/p1 父と子の思想―日本の近代を読み解く (ちくま新書) 作者: 小林敏明出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2009/06メディア: 新書 クリック: 9回この商品を含むブログ (8件) を見る この本では、「父」をキーワードとして、明治から現在に至る日本社会の構造的・精神的な変容が丁寧にたどられている。 著者は、「子」である自分(知識人)を見つめる「父」の視線、というものに注意を集中しているといえる。それは、実際の父の視線であると同時に、かつてはたとえば、「大衆」や「農村」(地方)の視線でもあった。一言でいえば、私を見つめる他者のまなざしである。 「ポストモダン」が言われるような今日の日本では、それは消失したのか、というのが著者の(怒りを含んだ)反問だ。 この本の中で、とくに力強さを感じる箇所のひとつ