社会福祉学は「知的障害者」に向き合えたか 作者: 中野敏子出版社/メーカー: 高菅出版発売日: 2009/04メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 7回この商品を含むブログ (2件) を見る 一気に読み終えられるかと思ったが、ずいぶん時間がかかった。 貴重な本であることは間違いない(特に書き下ろし部分)。知的障害者福祉論の学説史をまとめようとする人はあまりいないだろうし、これまで見たこともない。知的障害者福祉研究ひとすじでやってこられた著者らしい仕事である。先行研究についてレビューするときの手がかりが得やすくなったという点で、これからの研究者の仕事に寄与するところは大きい。 ただ、この内容を評価するのはなかなか難しい。「発見」の多い本かと言えば、そうは言えない。そして、良くも悪くも「社会福祉学」的なまとめられ方をしている。良く言えば多角的だが、悪く言えば議論の焦点が定まりきらないまま