噂、伝聞一切なし、すべて一次資料のみからCIAの実態を明らかにした傑作。1947年に発足したCIAの使命は「何よりもまず、第二のパールハーバーのような奇襲攻撃を事前に大統領に報告すること」だった。*1 つまり政策立案のために外国の情報を集め、理解する諜報機関として作られた。しかし諜報機関としてのCIAほどお粗末な組織はなく、ソ連にただの一人のスパイも送り込むことはできなかった。ソ連内の自発的な協力者だけがたよりだったが、彼らは全員殺されるか捕まるかした。さらにソ連の諜報機関KGBからの二重スパイによって情報が筒抜けであることも多かった。現地語を話せるスタッフの不足もあり(これは今も解決していない)、諜報で成果を挙げられないCIAは膨大な予算を浪費して秘密工作に走ることになる。 陰謀をたくらむのは面白い――成功すれば自己満足が得られたし、ときには勝算を集めることもあった――“失敗”してもと
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