『期待、制度、グローバル社会』(勁草書房、2009年)の第1章、河野勝「制度、合理性、期待――新しい政治経済学のための原理的考察」を読んでみた。 期待、制度、グローバル社会 作者: 田中愛治,河野勝出版社/メーカー: 勁草書房発売日: 2009/09/29メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 16回この商品を含むブログ (8件) を見る ここ数年、経済学に対抗した形で「政治経済学」を提起されている河野先生の論調が、本章でも、いかんなく発揮されている。 特に興味深いのは、盛山和夫に依拠して、「一次理論/二次理論」の区別を導入し、それを経済学の、特にゲーム理論的枠組みへの批判のためのツールとして用いている点だろう。というのは、かつて某シンポで、河野先生が盛山氏の議論を肯定的に参照する報告者に対して、かなり厳しい(と僕には感じられた)批判をされていたからだ。認識を変えられたのだろうか。ある