作家の五木寛之さんが、あるコラムで「呆れるぐらいに素晴らしい」と表現した「絵本 化鳥(けちょう)」。発売1カ月で出版元の在庫が、ほぼなくなるなど、売り上げも好調だという。 文豪、泉鏡花の幻想的な世界を見事に描いた注目のイラストレーターが、中川学(なかがわがく)さん。なんと、京都・瑞泉寺の住職でもある。 子どもの頃から水木しげるや妖怪が好きで、将来の夢は漫画家だったという中川さん。京都に生まれ、お寺の息子として育った。中川さんの絵を表現する時の代名詞「和ポップ」という言葉は、彼が描く独特な画風にぴったりと当てはまる。どこか懐かしく温かい、それでいて神秘的。中川ワールドで描かれるイラストは、絵本や週刊誌などにとどまらず、海を越えイギリスのデザイン誌など、国内外で評判を呼びオファーが後を絶たない。 ■ 絵本を通じて子どもたちに伝えたいこと 中川さんは、2011年に日本を代表する小説家、泉鏡花の作