「女子力」という一つの言葉にこだわって、その成り立ちと移り変わり、まつわる思いなどについて考えてきました。多くの女性がこの言葉に感じる「呪縛」をほどくにはどうすればいいのか。アンケートに寄せられた声と、識者の見方を紹介します。女性記者たちの呼びかけに応じて、取材に参加した男性記者2人がいま考えることを、最後に。 女子力に関する論文を書いた、名古屋市立大学人文社会学部の菊地夏野准教授(ジェンダー論)に、この言葉から見えてくる社会のありようについて聞きました。 ◇ 女子力という言葉は、古さと新しさの両方をはらんでいます。 日本でも女性が社会進出し、男女平等な社会にだいぶ近づいたというイメージを多くの人が抱いている一方、この言葉の使われ方を見ると、決して平等になってはいない。社会進出と言っても、実態は家事や育児、見た目の可愛さや気遣いなど、これまで通りの負担を課されたまま、男性中心の長時間労働の
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