岡崎市教委は市内の岡崎城内で昨年九月に見つかった徳川家の家紋「三つ葉葵(あおい)紋」が金箔(きんぱく)であしらわれた瓦の復元品を作製した。新たに当時の姿が再現され、家康公生誕祭が始まる二十一日から岡崎城天守閣で、出土品と並べて展示する。 金箔瓦は、直径十一センチ。岡崎城天守台の深さ十センチほどの地層から出土した。江戸時代初期の十七世紀前半に作られたとみられ、寛永期(一六二四~四四年)に岡崎城本丸に建てられた東照宮の屋根の装飾に使われた可能性があるとされる貴重な史料だ。 ただ、金箔が部分的にしか残っていないことなどから、展示・普及啓発に活用しようと復元品が作られた。市教委から委託された専門業者が金箔瓦をシリコンで型どりして原型を作製。その原型に合成樹脂を流し込み、当時の瓦の色に近い黒のアクリル絵の具で色を付け、葵紋部分に金箔を貼り付けた。