名古屋男声合唱団演奏会のチラシと、合唱曲の基となった佐々木さんの歌集「棄民」(手前右)=阿智村の満蒙開拓平和記念館で 旧富草村(現阿南町)出身で、満蒙開拓団員の経験を持つ元教員佐々木剛輔さん(88)=愛知県豊橋市=の歌集を基にした合唱曲「棄民」が十月七日、阿智村中央公民館である名古屋男声合唱団の公演で披露される。同合唱団が昨年、名古屋市で初演し好評だったことを受け、阿智村の満蒙開拓平和記念館開館十周年記念として演じる。合唱団や同館は、当時の国策にほんろうされた人々の思いを音楽を通じ知ってほしいと、来場を呼びかけている。 (近藤隆尚) 佐々木さんは一九四二(昭和十七)年、長野県内全域を対象に募集があった信磨村開拓団員として、両親やきょうだいと旧満州(中国東北部)に渡った。大陸での生活、引き揚げの経験などを歌集「棄民」(二〇一三年出版)にまとめた。...